「教育連携」という事業には、これまでに行ってきた経験や実績が重要である。また、本連携戦略では、「食」と「家畜」という専門性、そしてそれを皮膚感覚で涵養するための地理的条件も必要とされる。これらの点に関して、本事業に参加する大学間では連携実績を積み上げてきた。例えば、平成16年に設立された高等教育コンソーシアム宮崎のもと、宮崎大学と南九州大学との間では、35科目について単位互換を行っており、そのうち実に25科目について家畜生産に関連した科目を開講している。また宮崎大学と東海大学との間では、数十年来にわたって、講師の派遣などを通して、家畜生産に関する教育研究の連携を育んできた。そして、平成21年4月には、宮崎大学農学部と東海大学農学部における学術交流に関する基本協定も結んでいる。日本の畜産基地に位置する宮崎県および熊本県では、わずか2県だけで肉用家畜として牛が全国の19%、豚が12%、鶏が20%飼養されている国内随一の生産地帯で、家畜生産が重要な基幹産業である。そのため本提案の中の実践型教育に必要な、食肉衛生検査所、畜産試験場、農業共済組合、農協などの現場と大学との連携も緊密で、その実績としてはインターンシップにおける現場の利用、共同研究、食肉衛生検査所や畜産試験場職員の大学における研修、口蹄疫や鳥インフルエンザ発生時における県と大学の共同対応など枚挙にいとまがない。また連携実績のみならず、畜産基地である地理的背景を生かして、家畜生産に関する教育実績も多数上げている。その中で特筆するものとして、文科省の支援を受けて実施してきた遺伝資源キュレーター育成プログラムの開発や、人獣共通感染症教育モデル・カリキュラムの開発などがある。それらのプログラム開発を通して、生物遺伝資源の応用に必要とされる専門技術と法規等の実務に精通した遺伝資源専門技術者や、人獣共通感染症に対して迅速な診断、適切な処置ができ、感染の拡大防止と今後の発症の予防を実践面及び行政面からも的確に指導ができる専門技術者を養成し、すでに多くの人材を社会に送り出している。

 したがって、本連携事業は、「教育連携」という事業推進する上で必要な、連携する事業所における家畜生産に関する多数の教育研究実績、および事業所間の連携実績の上に成り立っているといえる。そして何より、本提案の主題である肉用家畜生産の安全・安心に関して肌で触れることを含めた総合的学習プログラムを開発することは、国内の他の場所では実施できない本提案の3大学でのみ実現可能なオンリーワンのものである。

 
これまでの3大学の実績