研究室学生諸君への協力依頼 

研究室の機密保持について

 諸君も知っているように、今我々の研究室では、複数の企業や研究団体と、「機密保持契約」を結んで研究を行っています。昨年アメリカで日本人研究者がFBIに拘束され裁判沙汰になったように、従来の日本では保守義務があまり厳密ではありませんでした。そこで、以下の点に厳に注意して下さい。機密保持契約の不履行による責任はすべて、契約者である碇のところにきますので、是非協力をしてください。守れない場合は研究チームからはずします。なお、論文等ですでに発表してある内容についてはこの限りではありません。
試料の物性(不純物濃度、厚さ、その他のパラメータ)について、公表できる分は事前の打ち合わせ(発表練習など)をして了解を得てください。特に、企業や他研究機関からのものについては、口外できないものもあるので細心の注意を払う事。
実験、特にPPTSの「ノウハウ」については、学会など学外(就職先も含む)では公開しない。君たちの先輩などが何年もかかって手に入れた貴重な「ノウハウ」をあっさり他人に知らせる事が無いように。学会で講演をする場合には事前に練習をしますが、その範囲以上のことは公開しない。もし微妙な点を質問されたときには、ノウハウに関わるのであれば、「答えられません」と言うこと。PPTSなどの我々の研究室の実験についてのノウハウは、研究室と君たち学生諸君の間で契約(信頼関係)を結んでいることを常に留意してください。もちろん研究を通して教育を受けた基礎知識についてはその限りではなく、どんどん活用して下さい。

a la Sorbonne, 2008.

研究室の運営について

 研究費が大きな赤字になっています。従って、消耗品、修理費を問わず、全体的な予算執行システムを研究方針と共に再検討する必要性があります。既に何度か注意を促していることも含まれていますが、学生諸君は、下記の点に留意して協力して下さい。我々は実験が出来ないようになると終わりですから。
     
  1 空調使用時間の短縮、照明の節約、使っていないパソコンの電源をこまめに切るなど、節電には今一層心がけて下さい。土日や特に夜間など原則として空調機の使用を禁止します。ただし、学会の準備などでやむを得ず大学に来る場合にはその理由がはっきりしていればOKです。実験室も測定を行っていない場合は冷房を切ること。大きな部屋で人数が少ない場合は、設定温度を上げるなどできるだけ省エネルギーを心がけること。学生が部屋(研究室)に居ないときは、照明は勿論、空調についても必ずスイッチを切る事にします。実験室も使用していない場合は、こまめにスイッチを切ることを習慣付ける様にして下さい。
  2 暖房の温度設定は摂氏22度以下にします。関西経済連で苦情が出ない温度として示されている温度です。
  3 冷房については以下の通りです。外気温28℃未満での使用は結露している場合を除いて使用不可。但し、実験室に関しては許可を得て使用することが出来る。外気温28℃以上での設定温度は27℃以上とし、26℃以下に設定しない。
  4 遅くとも午前10時には大学に来て下さい。夜間(夜8時以降)の空調や研究室の使用は、昼間(土日に限らず)研究室に出てきている学生で、かつ夜間に実験が必要な学生のみに限ります。朝10時以降に研究室へ出てきた学生には夜間の実験を許可しません。昼間に出来ることをだらだら夜までやらない為ですが、特別な理由がある場合にはスタッフに申し出てくれれば対応します。夜だけ学校に出てくると言うことは論外です。認めません。但し、修士1年が講義などの影響で夜間に実験が及ぶ場合は例外とします。何れにしろ、昼間に一生懸命勉強や実験をしてもなおかつ時間が足りない場合にのみ、夜間研究室を使用する事が出来るようにします。
  5 研究室においては昼夜を問わず、パソコンゲームを禁止します。インターネット接続それ自体を制限する事にもなりかねませんので十分自覚して下さい。守れない場合はアドレスを抹消しますので、メールも使えなくなり、研究情報も得られなくなりますので注意して下さい。また、研究以外で、他研究室の学生が我々の研究室及び機器を使用することを禁止します。
  6 コピー枚数は最小限にして下さい。読みもしない文献などはコピーしないように。今読まないものを取って置いても多分ずっと読みません。ゼミや実験経過報告に使う資料も工夫して下さい。勿論不要な本のコピーなどは取らない。必要なものも最小限に。
  7 ガラス管、金属元素、薬品などの消耗品も大切に使って下さい。例えば、加工などの腕が未熟な時は、くずのガラス管で十分練習を積んで下さい。
  8 装置本来の使い方が出来ているか日頃注意して、可能な限り故障を起こさない努力をして下さい。装置のマニュアルは読んでおくこと。実験中におかしいと気が付いたら、ほっとかないでその場で対応すること。実験装置の不具合或いは故障に繋がる事態を発見したら直ちにスタッフに報告すること。そのままにしておくと、次に使う人が大変困ります。
  9 研究室や実験室の掃除当番はローテーションを徹底して、責任をもって行って下さい。
  10 実験器具について、工具やメータ類は使った後は必ず後始末をして下さい。ボール盤の周りなど特に気を付けて下さい。ドライバーやスパナがなくなっているようです。又、工具などを他の場所で使用した場合は、必ず元の場所へ戻して下さい。次に使う人が非常に迷惑します。工具類を探すのに多くの時間を費やすような無駄はやめましょう。
     
   その他、省エネルギー、安全対策に心がけ、スムーズな実験研究を実施しましょう。
 ご協力を節にお願いします。