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研究内容

2012/10/11 (速報)

アカメは日本では、Iwatsuki et al (1992)により、主に徳島南部、高知、宮崎、鹿児島県志布志湾に出現するとされ、稚魚は静岡県浜名湖にも出現するのは知られていた。しかし、いきなり東京湾での品川でルアーで釣られた。

http://www.fimosw.com/u/OrangeStyle/6ldekwr9mneuk9

これには私も本当にびっくりした。

更に、びっくり。先週神奈川県横須賀市自然・人文博物館の萩原清司さんから連絡が有り、東京湾奥部の江戸川河口で体長285 mmのアカメが採れたと連絡があった。

2009年前後に本州静岡県の以南の南日本各地で非常に多くのアカメ稚魚が各地で多く採集されているのを確認している(2012年の魚類学会で発表)。荻原氏は「放流の可能性も否定できない。」として私信で私に述べられていたが、ちょうどその年ぐらいのものは、2009年で約30cmに成長するので、稚魚期に東京湾に輸送され冬期も越冬でき生き残った可能かなり大きいと判断している。この組織を譲り受け入手したので、遺伝学的解析を現在すすめている。

魚類学会
  井本会美・瀬能宏・遠藤広光・増田元保・田中文也・岩槻幸雄 2012年
    ミトコンドリア DNA の D-loop 領域からみた日本産アカメの遺伝的集団構造 日本魚類学会年会、講演番号 
    111、水産大学校、2012.09.22



文献
  • Katayama, M. & Y. Taki. 1984. Lates japonicus, a new centropomid fish from Japan. Japanese Journal of Ichthyology(魚類学雑誌), 30 : 361-367..(原記載)
  • 荒賀忠一・田名瀬英朋 1987. 和歌山県沿岸におけるアカメの採捕記録. 京都大学瀬戸臨海実験所報 1:59-61.
  • Iwatsuki, Y., K. Tashiro and T. Hamasaki. 1993. Distribution and fluctuations in occurrence of a Japanese centropomid fish, Lates japonicus. Japan. J. Ichthyol., 40(3): 327-332.
  • Iwatsuki, Y., K. Tashiro, M. Endo and H. Ono. 1994. The matured female of the Japanese centropomid fish from the Oyodo River estuary, Miyazaki Prefecture. Bull. Fac. Agri., Miyazaki Univ., 41(1): 11-14.
  • 鍋島靖信・安部恒之・日下部敬之・山本圭吾・波戸岡清峰 1994. 大阪湾でアカメがとれた.Nature Study 40(3): 2-4.
  • 田代一洋・岩槻幸雄. 1995. アカメの飼育における成長と摂餌特性.日本水産学会, 61(5): 684-688.
  • 木下 泉・岩槻幸雄. 1996. アカメ 平成7年度 希少水生生物保存対策事業 日本の希少な野生水生生物に関する基礎資料(III). 水産資源保護協会(東京), 156頁.
  • 津村英志・水野晃秀・山本孝雄・須田康彦・山本貴仁. 2003. 宇和海周辺で記録されたアカメ. 愛媛県総合科学博物館研究報告,No.8,23―26.
  • 明石英幹・栩野元秀 2008. 香川県沿岸域から初記録のアカメLates japonicus. 南紀生物 50(2): 235-239
アカメ調査隊いざ出陣-マルカに魅せられて1500km- → 近々アップ予定

 
 
 
 
宮崎大学農学部 宮崎大学農学部生物環境科学科 水産科学講座