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Last modified: Thu Sep 28 19:53:02 JST 2006
速修 確率統計
医者の藪野竹庵氏は自分のところへくる患者について
の2種類の事象の割合を調べた.
これらの事象を組み合わせると,
4通りの複合事象ができる.
事象
の起こる割合は次表のようであった.
この割合は,事象
の確率
であると思ってさしつかえない.
|
(風邪) |
(風邪なし) |
 |
(熱あり) |
0.55 |
0.05 |
0.60 |
(熱なし) |
0.10 |
0.30 |
0.40 |
 |
0.65 |
0.35 |
|
この表からわかるように,
熱があるかないかを知ってしまえば,
風邪であるかないかはほぼ検討がつく.
必要な確率の知識を整理しておこう.
確率分布として次のものを考える.
のように,
と
とが組になって同時に起こる確率を示すものを,
同時確率分布と呼ぶ.
そのうちの一方だけに着目した確率分布
や
は,上の表を行または列について加え合わせると
出てくる.
この
や
は,表の周辺に並んでいるので,
周辺分布と呼ぶ.
条件付確率分布
とは
に関する事象が
であったときの
の確率である.
は逆に
が
であることがわかっている
ときの
の確率である.
これらの間には次の関係が成立する.
 |
(1) |
 |
(2) |
 |
(3) |
 |
(4) |
 |
(5) |
 |
(6) |
式(4)は,
と
との同時確率は,
の確率に
が起こるという条件下での
の起こる確率を
掛けたものであることを示す.
式(5,6)はBayesの公式と呼ばれるもので,
式(4)から導き出せる.
と
が確率的に独立な場合
(風邪と熱が無関係の場合)には
 |
(7) |
 |
(8) |
という式が成立する.
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