食品成分によるがん予防効果
厚生労働省人工動態調査によると、平成19年の年間死亡者数は約111万人でしたが、その内約34万人の方はがんによって亡くなられています。このことから、「日本人の3人に1人はがんで亡くなっている」ことになります。また、がんは日本での死亡要因の1位です。
がん細胞は原発巣から離脱し、結合組織内を浸潤します。その後、血管内に侵入し、血流に乗って移動します。血流に乗ったがん細胞は別の組織にたどり着きそこでまた増殖を繰り返し、転移巣を形成します。こういった流れでがんは次々と転移していきます。
また、がん細胞は「血管新生」と呼ばれる現象を起こします。血管新生とは、体内で新たに血管が形成される現象のことです。本来、血管新生は組織の再生や創傷治癒といった際にみられ、人体の恒常性維持に役立っています。しかし一方で、がん組織における血管新生は、がん組織での血管ネットワーク形成の亢進により、栄養分、酸素などが供給されやすくなるため腫瘍組織の増大や転移、浸潤を招く結果となります。 このような血管新生の引き金となる要因の一つとして、組織が酸素不足(低酸素)になることがあげられます。
普段、がん細胞はアポトーシスと呼ばれる「プログラムされた細胞死」によって、体内から除かれています。しかし、このアポトーシスが細胞のがん化と増殖のスピードに追いつかなくなると、がん細胞が生き残りがんとなります。そのため、アポトーシスを増強することでがん細胞をより多く除き、結果的にがんを予防できると考えられています。
当研究室では、α-リポ酸,共役リノール酸(CLA),ジャカル酸,ブルーベリー葉を用いて抗がん作用について研究しております。
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