マイクロメガス


目的

放射線の位置検出器は、医療分野や工業分野などにも普及が進む中、高性能かつ取り扱いが容易なものが良い。以前我々の研究室で開発したマイクロギャップワイヤーチェンバーをもとに、今回欧州原子核共同研究機構(CERN)でのCOMPASS実験に使用しているマイクロメッシュガスチェンバー(以下Micromegas)を参考に、自作で新しいタイプのMicromegasの開発を行った。特に今回は、マイクロメッシュを支えて増幅領域を保つスペーサーの開発を行った。

実験方法

今回のMicromegasは、ドリフトカソードプレーン(以下DCP)とマイクロメッシュとアノードストリップ(以下基板)の3つの平行電極板に挟まれた6.5mmのドリフト領域と50μmの増幅領域で構成されている。増幅領域の間隔は、絶縁体を挟み保たれている。今回は、絶縁効率がよく耐熱性にも優れていて取り扱いが容易であるカプトンシートと、電子回路基板の表面に耐熱性被覆材料として用いるソルダーレジストを増幅領域を保つのに用いた。
検出器内に用いた混合ガスはアルゴンとイソブタン(混合比6:1)。