2024 年度 軟 X 線分光撮像検出器(SXI)修論・卒論発表会
3月4日に、大阪大学・豊中キャンパスで行われたSXI修論報告会に参加してきました。このSXI修論報告会とは、森研学生も多く所属しているSXIチームの研究者が一堂に会し、自身の研究内容を報告・共有する会です。森研からは、修士 2年生や学部4年生を中心に解析班のメンバーが参加し、修士課程であれば3年間の集大成を発表する場となります。巣立つ人々にとっては、いわばグランドフィナーレのようなイベントです。さて、そんなすごくすごいイベントに、今回は私、修士1年の岳本も参加させてもらえるということで、気合を入れて参加レポを書いていこうと思います。 一日目。前日入りしないと報告会に間に合わなかったため、一行は3月3日の昼過ぎの便で大阪へと飛び立ちます。
つかさんぽ
宮崎と業務提携を結んでいるご当地ポケモン、ナッシーに見送られながら、ブーゲンビリア空港を飛び立つ修士1年の松島司くん。緊張の面持ちですが、彼は修士1年なので発表はありません。
飛行機より
プロペラ機は揺れるイメージがあったのですが、思ったより揺れず、かなり快適な空の旅でした。あまりにも快適だったので機長にチップを渡そうか迷ったのですが、財布と相談した結果、いつもより心を込めて「ありがとうございました」と言うにとどめました。というわけで、約一時間のフライトを経て、到着しました、大阪は伊丹空港。関西空港と並ぶ、大阪の空の玄関口です。万博を控えていることもあり、空港のいたるところにミャクミャクさまのイラストがありました。世間ではいろいろ言われているデザインですが、よく見ると可愛くて、私は割と好きだったりします。夢には出てこないでほしいですが。さて、空港を出た後、徒歩8分のところにある安心と信頼の東横インにチェック東横インして、一日目は終了です。
いざ大阪大学
二日目、あいにくの雨に肩を濡らしながら、一行は大阪大学豊中キャンパスへ。写真右のグレーのリュックが私です。後ろ姿からも緊張感が伝わってきます。修士一年なので発表はありませんが。 会場にはもうすでに大学の学生が集まっていました。見知った顔から、ZOOM会議上で名前だけ見たことある人まで様々ですが、同じ検出器、分野で研究しているメンバーなので、きっとどこかで全員にお世話になっていると思います。感謝。 さて、定刻通り、9:00 から代表の方の挨拶が始まり、続けて近畿大学、大阪大学の学生の発表が行われました。宮崎大学の発表は午後のセッションなので、午前中は他大学の発表を聞きました。X線反射鏡の評価実験、超新星残骸の観測、ブラックホールの観測など、宇宙物理好きな人間からしたら垂涎物の発表が続きます。発表者だけでなく、聴衆も積極的に発言し、その質問をきっかけに議論がさらに深まるという、非常にレベルの高い発表会。私はというと、ついていくのに必死で、内容を理解したときには質問時間が終わっている、という感じでした。森さんがよく言っている、「発表において重要なのは、発表者よりも質問者の方だ」という言葉の意味を痛感しながら、午前中のセッションは終了し、昼休憩になりました。 腹が減っては何とやら、ということで、お昼は大阪大学の学食で食べることに。生協メニューなので宮崎大学と大体メニューは一緒ですが、心なしか味付けが濃い気がしました。調べたら気のせいでした。 腹ごしらえを終えて、昼の部の開始です。昼の部は、奈良女子大の博士課程の方の発表からでした。発表時間として、学部4年生10分、修士15分、博士30分となっていて、博士は修士の2倍の時間が与えられています。30分と聞くと長く感じるかもしれませんが、スライドの構成や話の組み立て、結果のまとめ方まで非常にスムーズで分かりやすく、何より発表者ご本人が楽しそうに話されていたのが印象的で、あっという間に時間が過ぎました。発表内容そのものも素晴らしかったのですが、それ以上に自身の研究への向き合い方から、多くの学びがありました。やはり、業界で長く経験を積まれている博士の方のお話は、非常に参考になるなと感じました。 そうこうしていると、いよいよ宮崎大学の発表出番になり、トップバッターの中野瑛子さんが登壇しました。
M2の中野さんの発表
中野さんは、「X線分光撮像衛星 XRISM に搭載された軟X線撮像検出器 SXI の軌道上エネルギー較正と分光性能の評価」というタイトルで発表されました。私自身、中野さんと研究テーマが近かったこともあり、普段から横で作業の様子を見ている機会が多かったのですが、「これだけ膨大な解析量を、よくここまで綺麗に12分にまとめられるな」と感心しました。内容について触れ出すと長くなってしまうのでここでは割愛しますが、本当に素晴らしい発表だったと思います。お疲れさまでした。
B4の倉嶋君の発表
次に発表したのは、学部4年生の倉嶋君でした。発表タイトルは「X線分光撮像衛星XRISM に搭載されたX線撮像検出器 SXI による、太陽フレアの地球大気反射 X線の観測」でした。地球に反射して届く太陽フレアを観測するという、少しユニークなテーマで、会場からの質問もかなり多かったように感じます。外部の方々を前にした発表は今回が初めてだったそうですが、言いよどむこともなく、堂々と発表できていて素晴らしかったです。お疲れさまでした。 どんどん行きましょう、次は同じく学部4年生の浦瀬さんです。
B4の浦瀬さんの発表
浦瀬さんの発表タイトルは、「X線分光撮像衛星 XRISM に搭載された軟X線撮像検出器SXI のセグメント間クロストークによる影響を受けたピクセルの特定」でした。背景から目的までが複雑で、説明の難しいテーマだったと思いますが、倉嶋君と同様に物怖じすることなく、はきはきと、自分が伝えたいポイントをしっかりと話せていて、とても良い発表だったと思います。お疲れさまでした。
M2の市川さんの発表
次は市川さんです。市川さんの発表タイトルは、「X線分光撮像衛星 XRISM を用いた超新星残骸 Cassiopeia Aにおける鉄族元素量の空間分布測定」でした。通称 Cas A(キャスエー)と呼ばれるこの天体を、シミュレータを用いて解析するという内容の発表でした。シミュレータを駆使して天体の解析を行う技術は、今後の研究にも大いに役立つものです。その手法を確立してくださり、ありがとうございます。お疲れさまでした。
M2の木村さんの発表
宮崎からの最後の発表は、木村さんでした。発表タイトルは、「PDD構造を有するX線 SOI-CMOS 検出器 XRPIX における検出効率の測定」でした。次世代の衛星への搭載が期待されるCMOS検出器の開発を目指し、その中核となる検出効率の向上に関する研究をテーマとした発表でした。研究内容をすらすらと、かつ分かりやすく説明されていて、「さすが修士2年」と思わせる、素晴らしい発表だったと思います。お疲れさまでした。
今回の研究発表会を通して、どの発表からもそれぞれの研究への真摯な姿勢や、日々の積み重ねの成果が感じられ、大変刺激を受けました。発表者の皆さんにとっても、貴重な経験となったのではないかと思います。今後のさらなるご活躍を心より期待しております。お疲れさまでした。私自身も、今回の発表を通じて多くの学びと気づきを得ることができました。今後は一層気を引き締めて、自身の研究に真摯に向き合っていきたいと思います。 最後に、空き時間に撮ったお気に入りの写真たちを載せて締めたいと思います。
食べ物編
なんか全体的に茶色ですね。天下のパンケーキも、並べてしまうとあんまり映えない、という気づきを得ることができました。味はもちろん全部最高に美味しかったです!個人的には東横インの朝食で出たスクランブルエッグが信じられないくらい美味しかったのですが、写真を取り忘れました。
森研男編
需要があるのかは甚だ疑問ですが、女子組とは別のところに行ったのでその様子をお届けです。私の写りが悪いことを除けばかなりいい写真達です。私の写りに関しては、まぁ不確かさの範囲で一致はしていますが、実物はもう少しかっこいいので、iphoneカメラのさらなる性能向上に期待したいところです。
森研女子編
女子組も色々食べたみたいです。男子組と比べると圧倒的に自撮りが上手いですね。その技術は、一体どこで教わるんでしょうか。
ナニワにまつわるエトセトラ
空き時間に大阪を満喫した一行でした。 最後にもう一度、発表した皆さん、本当にお疲れ様でした!
(文責:岳本)