岩槻魚類学研究室へようこそ!
注意 サイト内で飛ばないところや間違いを見つけたらすぐ知らせてください。
岩 槻 幸 雄
研究室の入室、おめでとうございます。私と何か縁があったのでしょう。魚類研究のメッカであるワンダーランドにようこそ!!
人生を楽しくするのも、あなた方のこれからの積極性次第です。宮崎県は魚類の研究をするには非常におもしろいところです。それに気づくかどうかは、貴方、若い諸君次第です。
研究活動をするために、学んで欲しいことは色々あります。が、まず魚類に親しんでください。野外に出ましょう。市場にも行きましょう。夏なら潜ってみましょう。アクアラングの免許を取って潜りましょう。タンクがあれば年中潜れます。様々な魚がいます。生きている魚類たちをじっくり観察しましょう。採集して色々な魚類を調べてみましょう。きっと、発見があります。そこから得た疑問から研究が始まります。
★ 入室時の提出物 ←必ず提出してください。
★ 入門テスト
さて、北大の魚類学の問題が解けるかな? 平成17年−平成20年 平成17年−平成16年
分からなければ、基本にもどろう! 岩井 保 脊椎動物 −魚類−恒星社恒生閣
★ 研究室のイロハ
A) 岩槻研究室必須事項(Curatorial Routine) → 下へ
B) 先人達の本を読んで、生き物の知識や見方を身につけ、自分の考えを持とう。
C) 遺伝学関係(基礎知識とその方法の詳細マニュアル)
D) 外に出よう。→日頃からの野外調査法を身につけるべし!
E) 日頃から文献を毎日読もう
F) 国内の学会や国際学会には積極的に参加しよう。
G) INPUTとOUTPUTとは?→科学論文を書いてみよう!
番外編(大きな過ちをしないために)
■研究室びっくり事件簿および騒動→とんでもない先輩の失敗から学ぶべきこと多し 先輩に感謝!!
A) 岩槻研究室必須事項(Curatorial Routine)
1) 標本の持ち帰り方法および標本作成法の準備
2) 魚類標本の作成準備
3) 魚類の同定 →ページが飛びます。
4) DNAサンプルの組織摘出
5) 鰭立て進級試験
6) 魚類学術標本の写真撮影方法 →ページが飛びます。
7) 撮影後の写真の保管場所及びファイル名の付け方←デジタルファイルの基礎知識と扱い方
8) 液浸標本のラベルやタグ
9) 魚類標本の固定
10) 標本の保管方法
11) 標本の貸借に伴う魚類標本の輸送パック方法
12) データベース(アクセス)のデ-タ入力の注意事項
13) 宮崎大学魚類学術標本台帳における学名と日本標準和名および記入の仕方
14) 数字で表せる形質(側線鱗数、鰓耙数、鰭条数)
15) X-rayの使用の注意事項およ定期的な検査のサーベイメーターの使い方
16) 卒業時・修了時の引き継ぎ
B) 先人達の本を読んで、生き物の知識や見方を身につけ、自分の考えを持とう。
海洋生物関係で広く読んでおくべき●推薦図書および手元に置いておくべき☆購入図書や図鑑
●基礎生物学関係 1) 2)
●魚類学関係 1) 2)
●遺伝関係
1)
西脇亜也・陶山佳久/責任編集 森の分子生態学−遺伝子が語る森林のすがた−A5判・320ページ 定価3,780円)
ISBN978-4-8299-2150-0
2) 小池裕子 松井正文 保全遺伝学 東京大学出版会 3,570円(本体3,400円+税)ISBN 9784130602136
3) P.C.ターナーほか著 田之倉 優訳 村松 知成訳 八木沢 仁訳 税込価格: \4,200 (本体 : \4,000)出版 : シュプリンガー・フェアラーク東京
サイズ : 26cm / 398p ISBN : 4-431-70920-7
●多様性と分類関係 1)
岩槻・馬渡編 1996年 上島励 3系統樹を作る。54−87バイオダイバーシチィシリーズ1 2)
石川他 長谷川政美 2004 分子系統で探る進化の歴史53−91 シリーズ進化学@ マクロ進化と全生物の系統分類
●生物体系学を勉強するサイト
生物体系学に関する教科書参考書(三中信宏氏のサイト) 「系統学全般」「分子系統学」「形態測定学」「分類学・認知科学・種問題」「離散数学・統計学・バイオインフォマティクス」「科学哲学・歴史学・形而上学」という6カテゴリーに分類して紹介している。
三中信宏氏のサイト 勉強になり、読み応えのあるサイトです。Evolve, Biometry Taxaのメーリングリストの創設者です。メーリングリストに入ることをお勧めます。
●教養書
西村三郎
魚類学の歴史や海洋生物地理学について発展してきた経緯や生物の分布の視点のバックグランドが深まるものが多く、若い諸君に下記の本を強く推薦します。
- 1) 日本海の成立 生物地理学からのアプローチ 築地書館, 1974 →所持
- 2) 地球の海と生命 海洋生物地理学序説 海鳴社, 1981 →所持
- 3) 動物の起源論 多細胞体制への道 中公新書, 1983
- 4) 未知の生物を求めて 探検博物学に輝く三つの星 平凡社, 1987 →所持
- 5) リンネとその使徒たち 探検博物学の夜明け 人文書院, 1989 のち朝日選書 →所持
- 6) チャレンジャー号探検 近代海洋学の幕開け 中公新書, 1992 →?所持
- 7) 文明のなかの博物学 西欧と日本 紀伊國屋書店, 1999 →所持
- 8) 毛皮と人間の歴史 紀伊國屋書店, 2003
- 9) 原色検索日本海岸動物図鑑[I]. 保育社,大阪. 1992.
※図鑑部分ではなく、最初に日本近海の生物地理について概説があります。1981年の本の内容を少し発展させています。
●生物地理関係(バイブル的な本)
Ekman, S. 1953. Zoogeography of the sea.
Sidgwich & Jackson, London.→所持
Briggs, J. C. 1974. Marine zoogeography.
McGraw-Hill, New York. →探索中
●日本近海の海洋生物地理
西村三郎. 1981. 地球の海と生命:海洋生物地理学序説. 海鳴社,東京.
西村三郎. 1992. 原色検索日本海岸動物図鑑[I]. 保育社,大阪
●海洋生物地理全体についてのレビューは以下の文献が非常に参考になります。
関口秀夫. 1995-1996. イセエビ類の生活史 55-61 生物地理. 海洋と生物98-106.
※連載ものです。
日本ベントス学会編. 2003. 海洋ベントスの生態学. 東海大学出版会,東京.
※第7章の生物地理学で朝倉彰氏が詳述しています。→コピー所持
●水産関係
☆手元に置いておくべき☆購入図書 1)
ICZN(1999) 2)
今度書こう。
C) 遺伝実験マニュアル(2008年 工藤康介 作 ←持ち出し厳禁)
1) 遺伝実験マニュアル(基礎)
第一章 実験(DNA抽出、薬品調整、PCR、電気泳動、Ladder、Sequence、薬品管理等)
第二章 解析(ハプロタイプ解析とソフト)
第三章 水族系統進化学特論(解析の具体的な理論構築)
第四章 その他(PCRトラブルシューティンク、PCRプライマー設計の指針、保全遺伝学的知識等)
D) 外に出よう。→日頃からの野外調査法を身につけるべし!
魚類は、当たり前だが水の中に生息している。これが研究を難しくしている。勿論、野外の干潟で、ムツゴロウやトビハゼのように鳥のように双眼鏡で生態を観察することが出来る魚もいるが、基本は、やはり水の中である。魚類の色々な研究をするためには、直接・間接の手法を使って、目的に合わせて対応する必要がある。
研究室にいつも閉じこもっていてはいけない。定期的に行う調査行動を実施すること、
●国内の調査
1)波止場や港、岩場の上から水面を覗き込んでみることも一方である。マクロ望遠レンズを用いて定期的行くだけでも、現在の魚類の多様性の状況をしることが出来る。
2)市場に上がる毎日の魚類を調べることもその海域の現在の資源の状況を把握出来、またサンプル入手も可能である。
3)時間と調査範囲の海域は限定されるが、素潜りで潜って調べること可能である。うまくなればタモ網を使ったり、水中づりてサンプルも可能である。
4)釣り、
5)スキューバダイビング
6)漁師に頼む、ネットワークを作る
7)
●海外の現地調査
1)一回で成功させることは、中々難しい
2)
E) 日頃から文献を毎日読もう
F) 国内の学会や国際学会には積極的に参加しよう。
G) 科学論文を書いてみよう!
1) 標本の持ち帰り方法および標本作成法の準備
市場や調査で入手した既に死亡後すぐの魚類の標本は、学術標本とするためには幾つか気をつけない点がある。背鰭、尾鰭、胸びれ、腹びれ、及び臀鰭は棘や軟条からなるが、手荒に扱うと折れてしまうので気をつける必要がある。体側にある鱗もクロサギ科魚類などのように、持っただけでも鱗が簡単に剥がれてしまうものもあり、同定のための重要な形質をなくさないようにしなければならない。特に棘や軟条ががかなり糸状になっている魚類の場合、漁獲過程で既に折れていて、持った瞬間に糸状の延長部分を落としたりして、その後の同定のための重要な形質を紛失したりすることがある。気がつけば必ず拾って、鰓蓋の間に挟んだりしてその後の個体識別が出来るように配慮する必要がある(図1)。
最優先の研究対象の重要な標本の場合、持ち帰って生鮮時の写真を通常よく撮るが、特に重要な標本の場合、必ずクーラーの中で体側右側を下に向けてクーラーにいれて持ち帰るようにしたい。他魚類やクーラーの底の壁面に接地していた部分だけ色が変わってしまうことがよくあり、カラー写真に使えない標本になってしまうことがよくある(図2)。この点に注意を払いたい。クーラーに入れて持ち帰るときも写真を撮影する標本は、最上部において体色の変質を避ける必要がある(図3)。上部の標本は乾燥しやすいので、濡れタオルかビニールを丁寧に体側に全域に張るようにすれば、変色や乾燥を防ぐことがある程度出来ます。
釣りや採集で捕獲した標本の場合、生かして持って帰ってまず生時の写真を撮りたい場合、生かし魚籠にいれて持ち帰るが、その途中で酸欠等の問題が起こった場合、多くの場合鼻上げを行って口を大きく開けたまま死亡していることが有り、体色も白っぽくなり生時の写真さえ撮影するのが難しい事態になる(図)。特に1個体しか採集されず、重要と考える生きた魚類は細心の注意を払って持って帰りたい。途中で死んだ場合、取り出してクーラーに入れるか、水氷か海水氷にいれて持ち帰るとよいが、氷が多く0度に近いような場合体色が逆に黒くくすんでしまうこともあるので、注意を要する(図)。
2) 魚類標本の作成準備
持ち帰った標本は、ざっと水道水で、表面に付いたゴミや泥をさっと洗い流す(図)。少し古い標本の場合、鰓蓋を開けて鰓弁に大量の粘液、あるいは細菌が急に繁殖している場合があるので、これらも洗い流す(図)。この場合鰓内に寄生虫が着いていることがあるが、そのままにしておく。場合によっては極めて種特異性のある寄生虫であることもある。口腔内に魚が飲み込んだ小魚や軟体動物が引っかかっている場合は、一応取り除き、台帳に記しておく。
3) 魚類の同定
- 魚類の同定は、早く正確にするには、ある程度の科グループの特徴が分かっていれば、特に日本産のものであれば、中坊徹次編(1999)の日本産魚類検索があるので、それほどの時間は掛からない。やはり経験と年期がいる。しかしながら、学生諸君は地道に時間をかけてやるしかない。→クリック
4) DNAサンプルの摘出
生標本からDNAサンプルの摘出は、目的や摘出する部位によって異なる。採捕の後リリースするためや飼育のため希少種で殺すことが出来ない魚の場合、あるいは避けたい場合は鰭の一部を削除するのがよい。サケ科魚類などでは脂鰭を切除することが多い。通常、魚類は頭を左にして写真を撮るのが基本であるので、魚体の右側の部位から肉片を撮ることが多い。
5) 鰭立てと鰭立て進級試験
鰭立ては、魚類学術標本を作製する際には基本的な技術である。簡単そうで結構魚類の多くの知識無くして鰭立て作業を行うことが難しい。例えば、第一背鰭が折りたたまれて背部外縁の溝にあるような場合、第一背鰭を立てないで鰭立てをしている学生をよく見かける。初学者はは3級(図)から始まり2級()、1級()、初段()、二段()、三段()と上がって行く。技術的には修士修了時に1級程度であり、これが魚類研究者の最低限の資格でもある。初段で何とかプロとして通用するレベルで有る。進級試験を受けるものは1年に1回4月初めに受け付ける。
鰭立ては、魚類の全体の特徴が一目でわかるようにして姿を整えてやることであり、その後の写真撮影と固定時、またその後の学術標本の研究をする際に外部形質や内部形質の細かな観察や計測の際にいい標本ほどデータも取りやすく、極めて重要な作業である。
普段から鮮魚運搬用の発砲スチロールの蓋や、?を利用する。前者はなるべき平坦なものを選び保管しておく。後者は、現場撮影用のバックのお古を使用すると良い。ピンは錆びないステンレスの虫ピンを利用する。細さと長さによって選ぶが、これは日本では東京の「志賀昆虫普及社」が作成しているものを利用する。下記に住所や電話番号とアドレスを記しておきます。昆虫研究用品の六本脚のアドレスも記しておきます。
志賀昆虫普及社 03-3409-6401
〒東京都渋谷区渋谷1-7-6
志賀夘助(しがうすけ)さんの「歩みと功績」を紹介します。
http://www.nice.or.jp/matsunoyama/people.html
六本脚(株) http://kawamo.co.jp/roppon-ashi/
6) 魚類学術標本の写真撮影方法
上をクリックしてください。
7) 撮影後の魚類写真の保管場所及びファイル名の付け方
マルチメヂィアデータの扱い方として、画像ファイル形式、ペイント系画像、ドロー系画像、3Dモデル、音声、および動画ファイルがあります。研究活動に必要な最低限の知識としては、まず画像保存ファイル形式の基本を理解しておくことが大切です。一般的には画像の画質のよいTIFFファイルで永久保存しておくことが多いが、ファイルのサイズが大きく、扱いにくく、いずれハードヂィスクがパンクします。よく使われる圧縮ファイルとしては、JPEGファイルがあります。
その他に、ビットマップ画像とベクトル画像の違いを理解しておくことが必要です。例えばCorelやIllustrator等のカラーの地図やカラー模式図を作成するときに使うファイル形式です。他にも色々な形式のファイルが有り、それぞれ画像の特性に違いがあります。下記のサイト等で理解を深めてください。更にカラー表現をコンピューター上で扱うには、カラー表現の基本も理解しておくことが必要です。更に研究結果を図でまとめるときには、使うフォントの知識も必要です。
参照先
画像ファイル形式
ビットマップ画像とベクトル画像とカラー表現
フォント
デジタルファイルのファイル名の付け方
もし、シマクロサギGerres shima Iwatsuki、Kimura、and Yoshino, 2009と同定されたなら、その標本番号MUFS
27285であれば、
MUFS27285-Gerres shima 168 mm SL-Hong Kong.tiff とつけます。研究室で複数の露出補正した写真(-1,
±O, +)を撮影している場合は、A, B, Cか、5段階ならA, B, C, D, Eを最後につけます。
MUFS27285-Gerres shima 168 mm SL-Hong Kong A.tiff
本のラベルやタグ
今度書こう
8) 魚類標本の固定
今度書こう。
9) 標本の保管方法
今度書こう。
10) 標本の貸借に伴う魚類標本の輸送パック方法
今度書こう。
11) データベース(アクセス)のデ-タ入力の注意事項
以下の点を注意して入力すること
● 同定出来ない種類は、Fuedaikaとする。台帳に学名が書いて有れば学名の項目に入力。
● Kaedagawa→Kaeda Riverとする。
●
Himejzi→Himeji
●
Thidai→Chidai
●
Yomegoti→Yomegochi
●
Japaneseの項目にはUsubenikintoki?などの?は入れない。Scientificの方に記入する
●
Itodai→Ittodai
●
Okoban→Ookoban
●
Onibe→Oonibe
●
Togoroiwashi→Tougorouiwashi
●
MBの個体数を入れる
●
Natuharigoti→Natsuharigochi
●
P.stridens→P. stridens (,.は必ずその後半角開ける)
●
Koutiumi→Kouchiumi
●
Localityの所で、Tsushimaとだけ書くのではなく、Tsushima,
Nagasaki, Japanと書く。
●
Bengaruhuedai→Bengarufuedai
●
13) 学名と日本標準和名
A) 学名 今度書こう。
B) 和名→ 日本魚類学会では、「メクラ、オシ、バカ、テナシ、アシナシ、セムシ、イザリ、セッパリ、ミツクチ」の9つの差別的語を含む魚類の標準和名について議論を重ねてきました。その結果、1綱2目・亜目5科・亜科11属32種を含む51タクサ(分類単位)の標準和名を改名すべきであるとの結論に達しました(クリック)。
14) 数字で表せる形質(側線鱗数、鰓耙数、鰭条数)
●鰭条数
背鰭の棘や軟条の数え方で、初学者はよく間違う。棘と軟条の区別ができる必要がある。軟条は節があり、棘にはない。堅いが棘のようにみえるが、コイ科のように棘状軟条というのもある。特に間違いやすいのは、背鰭・臀鰭の最後の軟条の数え方である。2本でているように見えるが、鰭を支持する一つの坦鰭骨から2本でていても1本と数える。これは、魚類学上の国際的な約束ごとである。サーバーのDiskのPDFフォルダーのOthersの中に下記の論文がある。かならず、一度は読んで理解しておくように。
Hubbs, C. L., and K. F.
Laglen 1958 Fishes of the Great Lakes region Bulletin Cranbrook Institute Science
(26):1-213.
15)X-rayの使用の注意事項およびサーベイメーターの使い方
アロカGMサーベイメーターTGS-121型の使い方
1,左のつまみをBATにしてバッテリーのチェック.緑のゾーンに針が振れればOK.
2,左のつまみをHVにして針が赤のゾーンに振れればOK.
3,センサーのキャップははずす.
4,左のつまみをUSE,右のつまみを10にして測定.下のメモリを読む.正常なら0.27μSV/hくらいの値を示す.
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