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ロボットが見る世界 (ロボットの目が可能にする計測技術) 「百聞は一見にしかず」と言われるとおり,人は多くの情報を目から取り入れています.人は目で見るだけで,物の大きさ,速度,距離などを瞬時に判断できます.例えば,テーブル上にあるリンゴをつかむ場合,まずリンゴまでの距離を判断し,その距離だけ腕を伸ばし,次にリンゴの大きさを判断し,その大きさだけ手を広げてつかみます.この簡単な動作も,ロボットにとってはなかなか難しいものです.これをロボットが行うには,どうしても人と同じような目が必要となります. 研究室では,このロボットの目に関する研究に取り組んでいます.
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人が両目で見ることによって距離感をつかむことはよく知られています.ロボットの場合も目となるCCDカメラを1台使うだけでは,対象までの距離がわかりせん.それでは,2台のCCDカメラを用いれば..と考えますが,そう簡単ではありません.人は片目でリンゴを見ても両目で見ても1個のリンゴは1個にしか見えません.ただし,2台のCCDカメラでリンゴを撮影するとそれぞれのカメラにリンゴが一つずつ写るため,リンゴは2つになってしまいます. 人の場合は,それぞれの目で見たリンゴを脳の中で瞬時に合成し,その過程でリンゴの距離や大きさを判断します.これと同じことをロボットで完全に実現することは今の技術をもっても不可能です.そもそも人の脳とコンピュータは構造が違うので,同じアプローチでは無理があると思います. そこで本研究室では,一台のCCDカメラと特殊な機械を組み合わせて距離を把握することにこだわった研究を実施しています.研究室では,この単眼視による距離の把握方法について複数の特許を所有しており,そのいくつかは実用化が進んでおります.
以下に,実施した研究例の概要を紹介します. 養豚農家で労力を伴う作業の一つに、適正体重に到達した豚を選別し、豚房から出荷エリアに移動させる出荷作業があります。大規模農家では一日に100頭以上の豚を手作業で出荷させるため、出荷適正体重(115kg)の豚を適切に選別するには相当な熟練と労力が必要です。そこで、カメラで撮影した豚の画像からAIを用いて体重を推定することで、出荷適正体重に到達した豚を自動的に出荷エリアに移動させるシステムを開発しました。 AI,カメラ, 豚の体重推定, 体重, 推定, IoT, 養豚の自動化, ソーティングシステム,ブタ 円形シフト法による三次元計測に関する研究
手の平にほうきを立て,ほうきの倒れる方向に手を動かすことで,ほうきのバランスを保つ遊びをしたことがあると思います.本研究では,棒の下部に車輪を取り付け,棒の傾きに応じて,車輪を回転させることでバランスを保つロボットを試作しました.本ロボットは,話題のセグウェイが発表された当時,雑誌AERAで全国的に紹介されました. 関連研究 |