クサネム

クサネム(Aeschynomene indica L.)はマメ科の一年生植物で,日本全国の路傍,荒れ地,水田畦畔あるいは水田内に生育するとされています。


この雑草は,水稲移植栽培下での中干し(一時的に田んぼの土面に亀裂が入る程度まで乾かすこと)および直播(イネの種子を直接田んぼに播くこと)栽培下での播種時における落水期間において発生がみられます。

特に,水田内で生育した場合は水稲以上の高さまで生育し(写真1),木質化した茎が水稲収穫時においてコンバインの刃を傷め,さらにはクサネム種子をイネの籾と一緒に収穫してしまうために玄米の等級を下げる場合があります。



            
  
  写真1 水田に生えるクサネム(イネよりも大きく生育しています)


クサネムの種子は,莢を持つ節果(せつか)として地表に落下した後,一部は分裂して裂開しますが,そのほとんどは莢の付いた状態で翌春まで生存します(写真2)。

   
  写真2 クサネムの節果(左)とバラバラになった果実(右上:莢付き,右下:種子)


このようなクサネム種子が,どのような環境で発芽するのか?あるいは発芽した後はどのような生育をするのか?・・・について研究しています。

    

  写真3 クサネムの発芽後の生育過程(左)と水田に生育するクサネム幼植物)(右)