X 線天⽂学に関する国際会議に参加しました in スペイン
2026 年 6 ⽉ 8 ⽇〜11 ⽇の 4 ⽇間、スペインのエルチェで開催された X 線天⽂学の国際会議 The X-ray Universe 2026 に参加しました。東京とイスタンブールでの⾶⾏機の乗り継ぎを経て、スペインのマドリードに到着しました。マドリードを訪ねるのは今回で数回⽬ですが、これまでにないくらい街に⼈が多く、さらに道路封鎖までされているほどでした。ちょうどこの時期は、完成したサグラダ・ファミリアでのミサに合わせてローマ教皇がスペインを訪問しており、その⽇はマドリードに滞在していたようで、その影響でマドリードにも多くの⼈が集まっていたようです。
国際会議はスペインのエルチェという街で⾏われました。エルチェへはマドリードから⾼速鉄道で 3 時間程度です。しかし使⽤する列⾞のトラブルにより、1 時間遅れての出発となりました(遅れは海外あるあるということでしょうか)。ところが、⾛り始めると Google マップが⽰す、エルチェ⾏きの列⾞のルートとは違う⽅向へ進んでいきます。「もしかして乗り間違えた?」と焦りましたが、電光掲⽰板には確かに⽬的地が表⽰されています。⼀⽅で、⾞内アナウンスは⾳が割れたスペイン語のみ。状況が分からず、不安な時間が続きました。結局出発から 30 分ほどで整備駅に停⾞し、乗客全員が降ろされました。列⾞の整備不良のために別の列⾞に変更となったためです。ようやく別の列⾞に乗り込み、⼀安⼼したのも束の間、列⾞の電光掲⽰板を⾒ると、⾏き先に⽬的の駅がありません。不安になって近くにいた係員に確認すると、”この列⾞はエルチェの隣の都市に向かっているから、その駅で乗り換えて”と⾔われ、直通列⾞のはずが、結果的に 2 回も乗り換えることになってしまいました。そのような紆余曲折を経て、予定より 2-3 時間遅れてなんとかエルチェに到着することができました。到着した頃にはすっかり疲れていましたが、無事に着けてほっとしました。エルチェはスペイン南東部の落ち着いた街で、世界遺産にも登録されているヤシ園で知られています。⽇本を出発したときは梅⾬で湿度が⾼く⾬の中の出発でしたが、現地に着くと天気が良く、⽇本と⽐べても湿度が低く過ごしやすい気候でした。
(左)整備駅での乗り換え。周りは何もないのどかな整備駅で、のどかさが不安を煽りました。(右)夜のエルチェの街。⽇本よりも⽇が沈むのが遅く、20 時を過ぎても明るさを感じることができました。
参加した会議 The X-ray Universe 2026 は European Space Agency(ESA;JAXA や NASA のヨーロッパ版)により主催されているもので、世界中の X 線天⽂学の専⾨家が集まる会議でした。会議では、ESA の X 線天⽂衛星 XMM-Newton に関する最新情報や、将来計画されている宇宙ミッションについて議論が⾏われました。また会議では、X 線天⽂衛星を⽤いたブラックホール、中性⼦星、銀河・銀河団、超新星残骸など、さまざまな天体に関する最新の研究成果も数多く報告されました。私は、XRISM 衛星を⽤いた活動銀河核(活発に活動している銀河の中⼼核で、その中⼼には巨⼤質量ブラックホールが存在すると考えられている)の “Centaurus (ケンタウルス座 A)”と“3C 111”の分光観測について講演しました。観測結果から明らかになった活動銀河核の放射の特徴や、その解釈について紹介しました。聴衆の多くは X 線天⽂学の専⾨家であり、私たちの研究について多くの質問やコメントを頂き、講演後も活発に議論することができて、発表を楽しむことができました。
会場での講演の様⼦
国際会議参加者の集合写真
論⽂の共著者との写真。
X 線天⽂学の最新の研究成果に触れるだけでなく、近い将来の宇宙ミッションに関する情報も得ることができ、とても刺激的な 4 ⽇間でした。国内外で議論できる研究者の知り合いが少しずつ増えてきたことを実感しました。また、普段は論⽂検索だけでは⾒つけられなかったような研究やアイデアにも出会うことができ、現地に⾜を運んで参加することの意義を改めて感じました。
(文責:榧⽊)