研究内容

産業動物の診療を通した、
繁殖性の向上やそのメカニズムの解析、地域への貢献を目的とします。

雌雄性腺機能評価に関する研究
受胎率向上に向けての研究
胚に関する研究
妊娠牛検診

雌雄性腺機能評価に関する研究

雌雄ともに、より早く性腺機能の将来性を知ることができれば、繁殖効率を高めることに繋がる。従来、性腺機能の検査として、馬絨毛性性腺刺激ホルモン(PMSG)や人絨毛性性腺刺激ホルモンを負荷した際のホルモン動態による検査が行われてきた。

本研究室では、従来と異なり、抗ミューラー管ホルモン(AMH)や酸化ストレスなどに着目した新たな性腺機能の評価に関する開発を行っている。

CLOSE

受胎率向上に向けての研究

分娩後、早期に次の子牛を受胎することは牛の生産性を高めることにおいて重要である。

本研究室では、受胎を妨げる疾病(分娩後の子宮疾患や繁殖障害)の原因と対処法を明らかにすること、どのような牛が繁殖性が高いかを明らかにすることで牛群全体の繁殖性を上げることを目的として日々研究を行っている。

CLOSE

胚に関する研究

近年、OPU-IVP(Ovum Pick-Up:経腟採卵、In Vitro embryo Production:体外胚生産)により高能力の母牛の胚を効率よく生産する技術が注目を集めている。

本研究室では、高品質な体外胚の生産にはどのような条件が適切なのかを明らかにすること、牛の飼養環境と卵子の品質にはどのような関係があるのかを明らかすることを通して、OPU-IVPの発展と子牛生産基盤の強化に寄与することを目的に研究を行っている。

CLOSE

妊娠牛検診

産婦人科における妊婦健診は母子の健康を守るために普及しているが、牛では繁殖検診で交配後30日から60日に受胎を確認した後は母牛に異常が観察されない限り、分娩直前まで母子の健康管理を体系的に実施することは少ない。

一方、肉用牛の死産率は増加しているのが現状である。そこで妊娠牛健診を実施し、死産率を減少させるとともに、子牛がより健康に出生することを目的として研究を行っている。

CLOSE

主な研究テーマ

1

周産期に関する研究

牛の分娩メカニズムの解明

周産期の繁殖管理

2

繁殖性の臨床バイオマーカーの検討

抗ミューラー管ホルモン、胞状卵胞数、妊娠関連糖蛋白質などを用いた繁殖性評価法の開発

3

牛の胚生産の作出効率向上に関する研究

体内胚、OPU-IVP時における酸化ストレスの影響

4

繁殖障害の診断・治療・予防法の開発

子宮内膜炎の診断・治療・予防法

先天異常および腫瘍の診断法

主に牛、馬、豚を対象に繁殖学的研究を行います

臨床の研究室として畜産現場に出かけ診断・治療も実施

月曜日: 主に大学附属農場の乳牛・肉牛(毎週)
火曜日: 主に近隣農場の肉牛(月1~2回)

※県外へ診療に出ることもあります。

学外検診を通して、次のことを学びます

  • 症例の診断・治療
  • 農家との直接的な関わり
  • 診療の基本である稟告のとり方やカルテの書き方

研究室の日常

一緒に研究しませんか?

産業動物臨床繁殖学研究室では、繁殖の研究を通して、動物の命を護り、殖やし、そして癒したいと考えています。生産現場で今、何が起こっているかを知り、産業動物の繁殖性向上を目指すOne Teamとして、臨床獣医師、畜産技術者および生産者とタッグを組みながら、研究を行っています。生産現場に還元でき、繁殖性向上に繋がる研究を一緒に行いましょう。

大学院生・研究員募集
画像