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ハナガガシは九州南・東部および四国のみに生育するブナ科コナラ属アカガシ亜属の常緑広葉樹であり、宮崎大学の附属田野演習林に比較的まとまった個体群が存在する。本種は分布域が限られていること、および主要なハビタットである暖温帯の谷沿いがスギの適地として林種転換等により消失したことから、最新のレッドリストでは絶滅危惧ⅠB類に指定されている。しかし、その保全に関する生態学的、生理学的、遺伝学的な基礎知見はほとんど明らかにされていない。
本研究では、以下の項目に関して調査・解析を行う。
●ハナガガシの生存状況と成立環境の解析
●個体群構造および成長解析
●ハナガガシを含む群落の植物社会学的解析
●生理的特性、繁殖特性、遺伝的特性の解明
上記の結果から、保全対象地域の選定および個体群維持・更新補助技術の面から保全方法を提示する。
1999: 分布、個体群構造および植物社会学的解析
2000: 生理的特性の解析
2001: 遺伝的特性および繁殖特性の解析
2002: 保全対象地域の選定および保全技術の提示
伊藤 哲 (宮大農)
野上 寛五郎 (宮大農)
高木 正博 (鳥大農)
高田 克彦（秋田県立大高度木材加工研究所）
山下 寿之（富山県中央植物園）
松田 敦，伊藤 哲，野上寛五郎：天然生常緑広葉樹二次林の構造変異に及ぼす地形因子の影響，日本林学会九州支部研究論文集，51，59-60，1998
佐藤盛樹，松田 敦，伊藤 哲，野上寛五郎，村本康治：天然生常緑広葉樹二次林の攪乱様式に及ぼす地形因子影響，日本林学会九州支部研究論文集，51，61-62，1998
Ito, S., Matsuda, A., and Nogami, K.: Population structure and dynamics of Quercus hondae Makino 1. Size structure and spatial distribution in a small catchment area, Proceedings of the 43rd Symposium of the International Association for Vegetation Science, Nagano, Japan, p.130, 2000
Yamashita, T., Matsuda, A., Ito, S. and Nogami, K.: Population structure
and dynamics of Quercus hondae Makino 2. Topography and vegetation constraints
for seedling establishment, Proceedings of the 43rd Symposium of the International
Association for Vegetation Science, Nagano, Japan, p.135, 2000
Takagi, M., Nakajima, N., Ito, S. and Nogami, K.: Population structure and dynamics of Quercus hondae Makino 3. Resource constraints for seedling growth and allocation in relation to micro geomorphology, Proceedings of the 43rd Symposium of the International Association for Vegetation Science, Nagano, Japan, p.134, 2000
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