太陽電池(光から電気へ)や発光ダイオード・レーザー(電気から光へ)などのエネルギー変換型半導体デバイスに用いられている次世代の化合物半導体材料の物性評価を行っています。例えば、現在シリコンを使った太陽電池パネルが市販されていますが、必ずしも効率の良いものではありません。エネルギー問題が深刻化する昨今、太陽電池の高効率化は必須です。そこで、化合物半導体を使った次世代の高効率太陽電池が期待されています。本研究室では以下のような手法:
- 非発光再結合 → 圧電素子光熱変換分光法(Piezoelectric PhotoThermal: PPT)、光ヘテロダイン光熱変位法(Laser Heterodyne Photothermal Displacement: LH-PD)
- キャリア表面蓄積 → 光表面起電力法(Surface Photo-Voltage: SPV)
- 発光再結合 → フォトルミネッセンス法(Photoluminescence: PL)
- バンド端決定 → レーザー変調反射スペクトル法(Photo-Reflectance: PR)
- 光吸収/反射 → 光吸収/反射スペクトル測定(Absorption/Reflectance)
等を用いた多面的な物性評価を行い、エネルギー変換型半導体デバイスの更なる効率向上を目指した研究活動を行っています。
研究プロジェクト
- 日本学術振興会/科研費基盤研究(B):研究分担者 2021~2025年度
- 日本学術振興会/科研費基盤研究(S):研究分担者 2020~2025年度
- 文部科学省/科研費基盤研究(B):研究代表者 2016~2020年度
- NEDO/超高効率・低コスト化合物太陽電池開発:研究分担 2015~2017年度
- JST/戦略的創造研究推進事業先端的低炭素化技術開発:研究分担者 2011~2016年度
協力機関
東北大学電気通信研究所&金属材料研究所&流体科学研究所・東京大学・名古屋大学・岐阜大学・弘前大学・豊田工業大学・大阪大学・和歌山工業高等専門学校・九州大学・九州工業大学・株式会社SUMCO・トヨタ自動車株式会社・京セラ株式会社 他
修論・卒論テーマ
令和6年度修士論文題目
- 量子井戸太陽電池吸収層に挿入されたInGaAs/GaAs/GaAsP圧縮歪超格子におけるキャリア再結合過程
- 原子層エピタキシー成長GaAsN薄膜の窒素分布が局在準位に与える影響
- p型Siにおける酸素析出物起因の欠陥準位マッピング
- 電圧印加した光ヘテロダイン光熱変位測定によるSiナノピラー/SiGe複合膜のキャリア再結合
- 電子線照射とその後の回復熱処理によりSi中に形成される欠陥準位のPL解析
令和6年度卒業論文題目
- 光ヘテロダイン光熱変位法を用いたSi中の鉄汚染起因欠陥の再結合過程
- 光ヘテロダイン光熱変位法を用いた4H-SiCの変位量マッピング測定条件の確立
- 光ヘテロダイン光熱変位法を用いたSiとAl間の界面熱コンダクタンスの推定
- SiとGeの組成比が異なるSi/Geクラスレートのバンドギャップ評価
- 井戸構造を変化させた圧縮歪超格子太陽電池における光吸収過程のシミュレーション解析
- Agを置換したCZTS系太陽電池の光学的特性
令和5年度修士論文題目
- PPT及びPL法を用いたCZTS太陽電池の欠陥準位およびポテンシャル揺らぎ解析
- 転位すべり面に異方性のあるInGaAs太陽電池のキャリア再結合特性評価
- PL法を用いた波状超格子太陽電池における発光再結合過程の評価
- 電子線照射とその後の回復熱処理により形成されるSi中の欠陥準位の非輻射再結合評価
令和5年度卒業論文題目
- InGaAs/GaAsP波状超格子の発光特性に対する単位長さあたりの井戸数の影響の評価
- 開放端電圧が異なるInGaAs太陽電池の非発光再結合評価
- 意図的に変化させたN分布がGaAsN薄膜の窒素局在準位に与える影響
- 教師あり機械学習を用いた光ヘテロダイン光熱変位信号からのSiの熱拡散率とキャリア寿命予測