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研究内容

2008/9/18 学部4年生の泉 光 君が愛媛県松山で開催された魚類学会で研究発表,同時に論文も投稿


泉 光君は、愛媛県松山で開催された日本魚類学会で研究発表を行いました。題目と要旨は下記の通りです。


宮崎県における未報告魚類と最近の魚類相の変容について

泉 光・和田正昭・日高浩一・香林亮運・宮本 圭・木村清志・吉野哲夫・岩槻幸雄

目的:宮崎県の魚類については岩槻(1983)の677種の報告があり,日向灘はイシガレイやマコガレイがまったく分布しないなどの特異な海域であることが示された.それ以降は岩槻らによる各分類群(科)毎の一連の報告がある.近年温暖化の影響か,従来みられなかった種類の出現や,逆に最近姿を消した種がある.そこで,2007年春から今年にかけて魚類リストの再検討を試み,リストの改訂中である.

結果:南方系魚類としてアジ科ミヤカミヒラアジ日本初記録となるSelar boops,及びドクサバフグ、九州以北で知られていなかった種では,Centropyge abei(写真のみ),ミズスルル,ヒカリイシモチ,ベンガルフエダイ,オキカザリハゼ,アズキウマヅラなどがある.一方,現在姿を消した種としてはクジメなどがあり,かつて定置に普通に入網していたが,消えつつある種としてはキジハタ,クエ,アカメ、シロサバフグなどがある.従来知られていなかったが,僅かであるがウミタナゴドロクイ(写真のみ)が今回確認できた.また,ヤリミミズハゼに似る未記載種の可能性のある1種,モヨウカスベに似る未記載種の可能性のある1種も確認された.1983年以降について考慮すると,概して日本の固有種と考えられる普通種の減少がまず認知され,北方系の幾つかの種は姿を消しつつあり,逆に南方の魚が量的には少ないが目につくようになってきた.日向灘の魚類相は,地球温暖化などによる直接・間接の人為的影響を受けて,明らかに変容してきていると判断される.
 

また、我が国では1回しか報告されていない日向灘で採集されたミヤカミヒラアジに詳しく記載を行い、本種について考察した。


 
 
 
 
宮崎大学農学部 宮崎大学農学部生物環境科学科 水産科学講座