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超々稀種の紹介?!


Xenobalistes punctatus Heemstra & Smith, 1983 → ?世界 or ?日本初公開の成魚

もうかなり昔になるが、?年?月?日、普段より卒論学生の卒論発表の準備が出来ていたので、学生の岩本香織さんと南郷町の目井津漁協に朝行ってみた。雑魚の計量をされる直前、ザルの中のすぐ外で元気よく跳ねていた全長20 cm越えるサカナがいた。胸鰭の下部あたりで異様に水平に張りだした固い隆起縁がみられ、明らかに異常な特徴を持っていた。
更に色鮮やかな、虹彩より若干小さいブルーのスポットが体側背面に散りばめられていて、

なんと美しいモンガラちゃんのことか?

一目でモンガラカワハギ科のサカナと判断されるが、全く見たこと無い魚であった。研究室に持ち帰り、早速同定を試みたが日本産の図鑑をざっと見てみたが掲載されておらず、属もさっぱり分からなかった。この分類群の研究をしている国立科学博物館の松浦啓一博士にメイルで写真を送って見て貰った。

ツバサモンガラ属でpunctatusという聞いたことがない種類の名前が返ってきた。頭蓋骨の背面が横に張り出し、前頭骨が非常に大きいこと、胸鰭を支える胸帯の一部が大きく横に膨らんでいるというような話であった。属名のツバサモンガラ属は、この胸鰭の下の特徴的な隆起縁にちなんで、松浦博士が命名したものと判断した。本種は幼魚に基づいて南アフリカのどちらかといえば、大西洋側で採取された標本に基づいて記載されたようだが、幼魚以外は全く知られていなかった。

その後一切の報告はなく、最初に報告された後、地球の裏側とも言える、日本の宮崎県の南郷町目井津で見つかったのです。本種の2個体目標本らしく、しかも、?成魚と判断される個体であった。和名が必要だが、公式にはまだ松浦博士から研究結果がどうなったか聞いていないので、未報告のままと思われる。

まさに珍魚というより超々稀種である!

この個体は、その後松浦博士の研究のために科博に寄贈した。今のところこの次の個体はまだ見ていないが、本標本が採集されたのは2月の厳冬期であった。大学は、この時期、学生の卒論、修論、および博士論文の一番忙しく、あまり2月は実際正直の所、市場に行っていない。2月頃に頻繁に行けば、また採集されるものと確信している。採れれば松浦博士のうれしそうな顔が、またみられるので宮崎で採れることを期待している。

このような魚が日向の海にいるとは、誠に驚きである。まだまだ、海の魚は分かっていないことが多く、ほんと極めて興味を注がれますよね? が、

こんなのまだ絶対いますよ! 学生諸君、日向の海で新科新属新種を捕まえよう! 

誰か、同じものを見つけたら、必ず取って連絡してくださいね。

CASデータベース

caeruleolineatus, Xanthichthys Randall, Matsuura & Zama 1978:701, Figs. 2D, 7 [Bull. Mar. Sci. v. 28 (no. 4)]. 4 km southeast of pass, Manihi Atoll, Tuamotu Archipelago, 350 ft. Holotype: BPBM 13211. Paratypes: AMS IB.1889 (1); BPBM 10016 (1); CAS 38035 (1); HUMZ 35534 (1), 40586-87 (2), 41474-75 (2), 42302 (1); MTUF 21837-38 (2); TUFIL 958 (1); USNM 202851 (3), 216524 (2). •Valid as Xanthichthys caeruleolineatus Randall, Matsuura & Zama 1978 -- Xanthichthys caeruleolineatus Randall, Matsuura & Zama 1978. Balistidae. Distribution: Indo-West Pacific and e. Pacific. Habitat: marine.

punctatus, Xenobalistes Heemstra & Smith 1983:1, Figs. 1-3 [J. L. B. Smith Inst. Ichthyol. Spec. Publ. No. 26]. Beach at Van Stadens R. mouth, e. Cape Prov., South Africa. Holotype (unique): SAIAB [formerly RUSI] 17546. •Valid as Xenobalistes punctatus Heemstra & Smith 1983 -- •A prejuvenile of and synonym of Xanthichthys caeruleolineatus Randall, Matsuura & Zama 1978 -- ( R. Winterbottom, pers. comm., 5 Apr. 2006). = Xanthichthys caeruleolineatus Randall, Matsuura & Zama 1978. Balistidae. Distribution: Southeastern Atlantic off s. coast of Africa. Habitat: marine.

●原記載とその類似種

Randall, J. E., K. Matsuura and A. Zama   1978
A revision of the triggerfish genus Xanthichthys, with description of a new species. Bull. Mar. Sci. v. 28 (no. 4): 688-706.
Heemstra, P. C. and M. M. Smith   1983 (Jan.)
A new species of the triggerfish genus Xenobalistes Matsuura (Tetraodontiformes: Balistidae) from South Africa. J. L. B. Smith Inst. Ichthyol. Spec. Publ. No. 26: 1-5.


●新属の報告

Xenobalistes Matsuura 1981:191. Masc. Xenobalistes tumidipectoris Matsuura 1981. Type by original designation (also monotypic). •Valid as Xenobalistes Matsuura 1981 -- •Genus possible based on prejuveniles of Xanthichthys -- (R. Winterbottom, pers. comm., 5 Apr. 2006). = Xenobalistes Matsuura 1981. Balistidae.



 
 
 
 
宮崎大学農学部 宮崎大学農学部生物環境科学科 水産科学講座