フーリエ変換(その1):周期関数から非周期関数へ
応用数学2 第6回 2004年12月20日 13:00〜14:30
1.6 複素フーリエ級数
1.8 パーセバルの等式
2.1 収束定理
3.1 デルタ関数
4 フーリエ変換
- 前回の演習の話から:
- 問1: 基底 exp{inx} と exp{imx},n≠,m はともに整数,が区間
-π< x <π で直交していることを示せ.
- 内積をとるとき,片方の関数の複素共役をとらなかった人が多かった.
- 複素関数の内積 ( exp{inx}, exp{inx} ) では、 ,片方は複素共役をとるべし.
なぜか.自分自身との内積を考えてみる.
例えば、関数 exp {inx}, -π < x <π, の絶対値(ノルム)がどうなるか考えてみる.
- → 大きさなので,正の実数でないと不都合.
- → 一方の関数の複素共役をとるのは、距離の2乗(自分自身との内積)が負の値にならないようにするため.
- 問2: 複素フーリエ級数の計算: f(x) = x^2
- 教科書に載っている公式にしたがって計算するせいか,c_0 を忘
れている人が多くいた.
f(x) = x の複素フーリエ係数では f(x)=x は -π< x <π では平均値 0 であっ
たが,
f(x)= x^2 の場合,正の値しかとらないので,平均値(c_0 項) は残る.
c_n の n=0 の場合を無視したケアレスミスではあるが,前の問題にも同じこと
はあったので注意したい.
1.6 複素フーリエ級数
- 複素フーリエ級数の意味
- c_n × exp{inx} の(複素数×複素数)の無限個の和が実数 f(x) になっている.
- そもそも exp{inx} = cos nx + i sin nx に複素数 c_n を掛けることはどういう意味があるのか.
- → 実は振幅を |c_n| 倍して 位相を Θ= arg (c_n) だけ進めている.
- → ここで Θ = arg (c_n) は c_n = a + ib とすると,tan b/a = Θ を
満たすΘのこと.
- → つまり,c_n × exp{inx} は |c| exp{i(nx+arg c_n)}.
- それぞれの c_n は 基本周期 2π/n の周波数成分の位相と振幅の大きさを示している.
- c_n と c_{-n) は共役関係にあり,したがって和をとると虚数成分はキャンセルされる.
1.8 パーセバルの等式
- 何を意味しているのか.→ cos, sin の完全性.
- 完全性とは: 基底としてある直交関数系をとったとする.
今の場合,1, cos nx, sin nx, n は正の整数である.
ここで,ある関数 f(x) がすべての基底関数と直交するのが,
f(x)=0 だけのとき,この直交関数系は完全であるという.
2.1 収束定理
- 収束とは.
- 収束条件: f(x), f'(x) がともに区分的なめらか.
- 区分的なめらかとは:
片側微分係数がいたるところで存在し,∞にならない.
- 図1-4 の上二つ: 区分的なめらかではない例
3.1 デルタ関数
- デルタ関数δ(x)とは.x=0 に面積1が集中した関数.
- 深く考えるとおかしな関数ではあるが,ここではあまり深く考えない.
- δ(x) = 0, x≠0
- ∫δ(x) dx = 1. ここで積分区間は ─ε から +ε. ε は ε>0 を満
たす任意の実数.
- 以下の表現はこれからよく使う:
- ∫f(x)δ(x) dx = f(0) .
- ∫f(x)δ(x-x_0) dt = f(x_0) .
4 フーリエ変換
- 今までは表現したい関数(信号)の周期が2πであると仮定してきたが,
これからは周期的でないものを扱いたい.
→ どうするればいいか. → 周期 T=∞と考えればいいのではないか.
- 復習: cos x は基本周期2π. → cos {2πx/T} は基本周期T.
- → cos {2πnx/T}, sin {2πnx/T} を使って関数を表現し,Tを∞にする.