補助事業番号: 2025M-424
日本の深刻な高齢化社会に対応し、高齢者の安全確保と介護現場の負担軽減を図るため、プライバシーを保護した高齢者見守り・健康支援システムを開発する。非接触型の先端技術を活用し、高齢者の行動や歩行情報を解析し、異常行動や転倒リスクの検知を可能にする。
2023年の介護職員数は厚生労働省の定める必要数に対して約18万人不足しており、これによる介護サービスの質の低下や利用者の待ち時間の増加、介護職員の負担増加を招いている。
問題解決のため、深度カメラによるプライバシー確保を行いつつ、画像処理技術や最先端技術を活用し、24時間人手に頼ることなく効率的に見守るシステムが必要不可欠である。
本研究では、深度カメラと人体骨格推定技術を活用することで、見守りが必要な入院患者(高齢患者)の動きを非接触かつプライバシーを侵害しない方法で異常行動を識別するシステム開発を行う。自動化された見守り機能を提供することで、患者の安全性確保、介護士の負担軽減、医療・介護の質向上、プライバシー保護という多面的な目的を持っており、医療・介護現場における大きな課題解決に貢献することを目指している。
高齢者の行動推定と危険行動検知に関する研究 深度カメラを用いた非接触型データ収集環境を構築しました。さらに、グラフ畳み込みネットワーク(GCN)とTransformerを統合した時空間モデルを用いて、「立位」「座位」「臥位」「動作遷移」の4種類の行動状態を分類しています。また、ナースステーションなどから利用者の状態を確認できる見守りアプリケーションも開発しました。 詳細を見る
高齢者の歩行情報取得と転倒リスク評価に関する研究 地域施設を定期的に利用する80代の高齢者5名を対象に、詳細な歩行特徴解析を実施しました。プライバシー保護の観点から、解析には骨格情報のみを利用しています。歩行中のバランスや歩幅、歩行速度など、12種類の歩行特徴量を定量化しました。さらに、体軸の傾斜角度に基づく3段階(安全・注意・危険)の転倒リスク評価を行うとともに、12種類の特徴量を統合した総合歩行スコアを構築しました。これにより、歩行状態を4段階(A~D)で評価・分類できるシステムを開発しました。詳細を見る
本研究で開発したシステムは、深度カメラと骨格情報のみを解析対象とすることで個人を特定せずプライバシーを保護しつつ、24時間体制の自動見守りを実現する。病院・介護老人保健施設・在宅介護の現場において、転倒・離床・異常姿勢の早期検知による事故防止と、介護職員の精神的・身体的負担の軽減に直接寄与する。
歩行指標による定量的な健康評価は、リハビリテーションの効果測定や転倒リスクの予防的介入を可能にし、医療・介護の質向上に貢献する。長期個人再同定技術と組み合わせることで、入所者一人ひとりの健康トレンドを継続的にモニタリングでき、データ駆動型のケアプラン策定を支援する。
公益財団法人JKAは、競輪・オートレースの売上の一部を財源として、機械工業の振興、体育事業の振興、社会福祉の増進、学術研究の振興などの公益事業を行っている財団法人です。CYCLE JKA Social Actionとして、補助金を活用した支援活動を幅広く展開しています。