中核人材育成 第4回宮崎県病理分科会

宮崎大学では卒後教育の一環として、宮崎県職員を対象とした獣医病理の研修会を実施しました。
当日は元農研機構北海道研究拠点の門田耕一先生をお招きして牛リンパ造血系腫瘍に関するご講演をしていただきました。
門田先生は牛伝染性リンパ腫に関する研究をなされ、それに関する論文も数多く発表されておられます。


食肉衛生検査所や家畜保健衛生所では牛伝染性リンパ腫の診断件数も多く、今回の講演は現場での診断に役立つ内容でした。
また、病理診断の経験が浅い職員向けに標本作製のコツなども教えていただきました。

午後からは門田先生がこれまでに経験された症例に関して報告していただきました。
特に牛の核内コクシジウム症や顎や鼻腔に発生した好酸球性肉芽腫は、教科書に詳細な記載がない知見で大変勉強になりました。
先日研究室でも牛の鼻腔にできた好酸球性肉芽腫を診断しましたがその原因について苦慮しましたので、これから診断時に考慮する必要性を感じました。
現場で働く職員から多くの質疑もあり、大変貴重な内容であったと思われます。長時間に及ぶご講演、ありがとうございました。

講演後は、県の食肉衛生検査所職員による症例検討を行っていただきました。
当日は1症例分の発表があり活発な議論がなされました。
宮崎大学では、卒後教育の一環として年4回程度県職員に対して獣医病理の研修会を実施しており、
今回が令和5年度の最後の開催でした。次年度も引き続き卒後教育には力を入れていきたいと思います。

2024年03月14日