2025年2月13日から20日までタイを訪問しました。
今回、研究室の卒業生が勤務するチュラロンコーン大学とマヒドン大学獣医学部を訪問し、施設視察および共同研究に関する意見交換を行いました。
2日目、5日目、7日目、8日目はチュラロンコーン大学を訪問しました。
対応していただいた先生方は宮大獣医病理研究室の卒業生(アチャリア教授、ソンポーン教授、アニュテップ教授)です。
獣医学部は巨大な建物にはいっており、各フロアごとに学科が分かれていました。
獣医病理学科は8階にありました。
研究室の活動内容は、午前中病理解剖、午後細胞診、組織診の診断、研究といった形でした。
病理解剖は犬、猫、ヤギ、ブタといった小動物がメインでした。8時半から5頭前後解剖して、午前中には終了します。
解剖室は広く、解剖台が8つ、頭蓋骨を切断する機械などがあり、宮崎大学より規模が大きく、びっくりしました。
入口も外部と遮断され、長靴消毒槽などがもうけられ、ダーティーゾーンとクリーンゾーンの区分わけがしっかりされていました。
と体を保管する冷蔵庫も大きく、解剖前と解剖後の2つに分かれていました。
こちらは実験室の様子です。
自動固定包埋装置、自動染色機などといった高価な機器が整備されていました。
ライカやAMES社製が多かったです。
遺伝子検査や免疫染色も実施できるように配備されていました。
チュラロンコーン大学獣医学部は、研究室配属はなく、全生徒が同じ内容を受講するようにカリキュラムが組まれています。
訪問した際は、参加型臨床実習の一環である病理解剖実習に学生20名前後が参加していました。
3年生の病理組織と臨床病理の実習の様子です。おおよそ150名の学生が参加しています。
バーチャルスライドを活用した実習を行っていました。
学生さんはタブレットやPC端末を用いて、熱心に先生の説明を聞いていました。
6日目にマヒドン大学獣医学部とチュラロンコーン大学ナコンパトンキャンパスを訪問しました。
マヒドン大学には、ラボの卒業生であるMaxさんをはじめとする先生方と交流を深めました。
私も本学の概要と研究の説明させていただきました。
大学構内を視察しました。動物病院にはCTや超音波装置も設置されていました。また、感染症系の施設はISO17025を取得しており、教育プログラムや研究体制はしっかり管理されているように感じました。
病理検査部門には、自動固定包埋装置、薄切機、自動染色装置といった機械類が整備されていました。
剖検は月に5頭前後、生検は週20例程度実施しているとのことでした。
午後には、チュラロンコーン大学のナコンパトンキャンパスに移動して、施設の説明を受けました。
こちらのキャンパスは、おもに産業動物(馬、牛、豚等)の治療や病理解剖、研究を行う施設です。
バンコクから車でおおよそ50分程度離れた場所にあり、学部5・6年生が臨床実習も行っているとのことでした。
ヤシの木もあって、南国の雰囲気を感じました。
病理解剖室の規模は大きく、感染症専用解剖室も整備されていました。
解剖後のと体はすべて滅菌後、堆肥にする装置にいれて40日ぐらいでたい肥にしていました。
SDGsですね。
6日目は、チュラロンコーン大学に戻り、細胞診の診断に同席しました。午後からは臨床病理の実習にお邪魔しました。
最終日は、チュラロンコーン大学のスライドカンファレンスに参加しました。ACVP資格取得の先生を講師に招きディスカッションを行いました。症例は事前に配布された4症例でした。教科書にも記載がある基本的な症例ですが、学生と先生達が双方向のディスカッションを行っており、学生さんの積極性に驚きました。
タイの文化に触れる機会も設けてもらいました(遊びではありません)。
例えば、これは水上マーケット。水路に青果品や加工品を船が運んでくるところです。
また、バンコク市内にはいたるところに寺がありました。
食文化は日本人でも親しみやすいものでした。
基本的に辛い味付けですが、その辛さにもうまみがあり病みつきになります。
2月は毎日35℃をこえる日でしたので、ビールもすすみます。
1週間という期間ですが、タイの2大学3キャンパスを訪れることができました。
この経験を今後の留学生確保や共同研究に活かしていきたいと考えております。
ご対応いただきました、両大学の先生方に心より御礼申し上げます。