令和8年度 第1回宮崎県病理分科会

午前中は3例の症例発表が行われました。今回取り上げられた症例は、牛の膀胱乳頭腫、原発不明の腹腔内播種性腫瘍、そして好酸球性筋炎です。
牛の膀胱乳頭腫は、肉眼的にも非常にインパクトのある病変ですが、膀胱炎や粘膜の過形成との鑑別が重要となる症例でした。
また、好酸球性筋炎は、教科書的には住肉胞子虫(Sarcocystis)の崩壊したシストに対する反応と考えられていますが、その発生機序には不明な点も多く残されています。今回は、枝肉を保管庫へ移動した後に病変部がより鮮明な緑色を呈したという、興味深い現象も報告されました。

午後は、発表された症例について参加者全員で顕微鏡を用いた鏡検を行い、病変の特徴や鑑別診断について活発な議論が交わされました。特に腹腔内播種性腫瘍については、肉眼検査で原発巣を特定することができず、診断に苦慮した症例でした。今後、免疫組織化学染色による追加検査を行い、腫瘍の由来を明らかにする予定です。

宮崎大学では、卒後教育の一環として宮崎県職員を対象とした獣医病理研修会を年4回程度開催しています。今回は令和8年度最初の研修会となり、新規採用職員も加わって活発な意見交換が行われる有意義な機会となりました。今後も継続的な研修を通じて、病理診断技術の向上と情報共有を進めていきたいと考えています。

2026年07月15日