飼い主様へ「経腸チューブ」のご説明

経腸チューブには、いくつか方法があります。
どのチューブがベストな選択であるかは、症例によって大きく異なります。
主治医にご相談ください。

1)経鼻胃管

鼻から下図のようにチューブを入れます。

短期間の栄養補給で使用します。

設置に全身麻酔は必要ありませんが、径が細いため、給餌がかなり大変です。

2)咽頭食道瘻チューブ

全身麻酔が必要ですが、首に少し太めのチューブを設置します。永久的なチューブとして設置可能です。

不必要になれば、抜去することも可能ですが、設置したら2週間は抜去しないようにします。2週間以降はいつでも抜去可能です。

ただし、チューブの先端を食道で止めるため、チューブから急速にフードを入れると、吐き戻す可能性があります。また、嘔吐した場合にチューブが曲がったり折れたりする可能性があります。

3)胃瘻チューブ

胃に直接チューブを設置するため、当然全身麻酔が必要です。
また、一般的には内視鏡を用いて設置するため、内視鏡がある施設で行われることが多いです。

メリットは、チューブの径が太く短い距離ですむため給餌が非常に楽です。
また、吐いたとしてもチューブが食道内で折れ曲がったりする心配がないため、非常に安心感があります。

4)空腸チューブなど

空腸チューブは、チューブの先端が胃を超えて十二指腸から空腸にあるため、 胃の運動性が低下していて、食事を胃に入れて流れていかない場合に設置されることが多いです。

内視鏡で設置することも可能ですが、開腹して設置することもあり、設置するのは上記のチューブよりは 非常に煩雑です。当然、全身麻酔も必要です。

  

宮崎大学農学部獣医学科 動物病院研究室

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