飼い主様へ「腹腔鏡手術」のご説明

当研究室では、腹腔鏡による検査や外科治療を行っております。腹腔鏡は、傷が小さいだけでなく拡大視野が得られることから、熟練した技術を持てば、非常に安全に手術を行うことができます。
手術の際の傷も小さく、動物の術後回復が早いことも特徴で、退院までの日数も短くてすみます。

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適応疾患

  • 生検(肝生検・膵生検・消化管全層生検)
  • 膀胱結石
  • 潜在精巣
  • 先天性門脈体循環シャント(肝外シャント)
  • 副腎腫瘍(血管内浸潤していないもの)
  • 胆嚢摘出術
  • 胆嚢ドレーンや胆嚢洗浄
  • 避妊手術(基本的に大学では基礎疾患がある症例のみ実施しています)

腹腔鏡手術の傷口

副腎腫瘍の手術の傷口

通常、右側の副腎腫瘍であれば腹部正中切開を行うため、 15cm程度の切開創(赤矢印)が必要であるが、腹腔鏡手術では 3cm、1cm×2の3カ所の切開創で手術が可能である。 ただし、腹腔鏡のメリットは切開創の大小だけではない。 腹腔鏡の最大のメリットは、拡大視野が得られること、 モニターを見ながら手術を行うため、麻酔師や手術助手、 そして外回りのスタッフのみんなが手術を見ることが でき、手術中に術者が今何をしているかがはっきり分かるため より安全性の高い手術となる。

腹腔内腫瘍で外科適応外と言われた飼い主様へ

諦めずにご相談ください。

  • CT検査や各種画像診断で摘出は困難であると言われた方は、CT画像を当研究室にお送りください。(主治医や画像診断センターからCTのDICOM画像を送ってもらってください)
  • 肝臓、副腎、腎臓腫瘍などであり、腹腔内播種や遠隔転移(肺や骨など)がない場合は、手術適応となる場合があります。
  • 残念ながら、腹腔内に播種(腫瘍がお腹の中に広がりすぎている場合)や転移がある場合は、手術不適となります。必ず主治医に相談してみてください。
  • 獣医師は、獣医師専用ページをご覧ください。
  

宮崎大学農学部獣医学科 動物病院研究室

住所:宮崎県宮崎市学園木花台西1-1