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これまで私は、国内有数の結晶学者である福山恵一教授の研究室に所属し、教授にサポートされながら独自の研究分野を切り開いてきました(2003年に学位取得後から2012年3月まで、同一のラボで研究・教育に従事)。2012年4月にPIとして独立、宮崎大学医学部キャンパスにラボを構えました。 私の研究ターゲットは、以下に示したように多岐にわたっており、一見すると無秩序に見えますが、 これらのターゲットに共通した キーワードは"機能発現に伴うダイナミックな構造変化"です。
タンパク質/酵素の生理的機能を調べる上で、その構造情報は非常に有用です。X線結晶構造解析は、タンパク質の構造決定法の中で
最も優れてた手法と考えていますが、同時にこの手法の限界は低いと思っています。つまり、機能の解明を目的とした場合、
構造決定は単なる手段であり、効率的な研究を促進する一つのステップと捉えています。私の研究では、様々な手法(遺伝学的手法、生化学的手法、有機化学的手法、
トモグラフィー、蛍光X線分光法、顕微分光法、EPR)を駆使して機能の全容解明を目指しています。また、国際的な研究競争に勝ち抜くためには、共同研究者の存在は必須だと考えており、
様々な専門分野の先生方の"考え"を吸収し、自分の発想力を培うようにしています。
構造をベースとしてタンパク質の分子機能を考えると、電子状態からの考察(量子化学)なしではその反応は語れません。今後、量子化学計算も自らの研究に取り込めるような研究ストラテジーを目指しています。
[研究対象]
・鉄硫黄クラスター生合成に関わる多成分酵素マシナリー
共同研究者:埼玉大学大学院理工学研究科 高橋康弘 教授
University of South Carolina Prof. F. Wayne Outten
大阪大学蛋白質研究所 岩崎憲治 准教授
・細胞内のレドックスバランスを制御するグルタチオン分解酵素
共同研究者:京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科 鈴木秀之 教授
京都大学化学研究所 平竹潤 教授
石川県立大学生物資源工学研究所 熊谷英彦 教授
・有害赤潮の崩壊を司る天然海洋ウイルス
共同研究者:(独)水産総合研究センター本部 長崎慶三 研究開発コーディネーター
(独)水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所 外丸裕司 博士
(独)水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所 中山奈津子 博士
(独)水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所 木村圭 博士
・光合成色素の合成・分解に関わる酵素群
共同研究者:久留米大学医学部 杉島正一 講師
久留米大学医学部 原田二朗 助教
茨城大学フロンティア応用原子科学研究センター 海野昌喜 准教授
University of California, Davis Prof. J. Clark Lagarias
北海道大学低温科学研究所 田中歩 教授
・光環境応答を司る光センサータンパク質
共同研究者:東京大学 大学院総合文化研究科 池内昌彦 教授
東京大学大学院総合文化研究科 成川礼 助教
豊橋技術大学エレクトロニクス先端研究所 広瀬侑 助教
・活性酸素消去系ードラッグデザインの基盤造り
共同研究者:大阪府立大学理学系研究科生物科学専攻 多田俊治 教授
・酸化ストレス耐性の構造基盤
共同研究者:近畿大学農学部バイオサイエンス学科 重岡成 教授
近畿大学農学部バイオサイエンス学科 田茂井政宏 准教授
・鉄硫黄タンパク質の構造・機能解析
共同研究者:名古屋大学大学院生命農学研究科 藤田祐一 准教授
・DNA/RNA結合タンパク質の構造解析
共同研究者:宮崎大学医学部物質科学 徐 岩 准教授
宮崎大学医学部物質科学 石塚 匠 助教
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