はじめに
日頃、意識することはないかもしれませんが、動物達は私たちの生活に深い関わりを持っています。実は、毎日口にする畜産物も生きた動物から作られたものです。畜産物のない生活は考えられませんし、健康にとって重要なだけでなく、美味しい食べ物は人を幸せにしてくれます。
動物生産技術、つまり畜産技術の進歩は安価な食肉の提供に貢献してきましたが、一方で、国際的な価格競争の中で、安心や安全あるいは品質の低下、さらに環境汚染、無理な動物管理という問題を引き起こしてきました。
私達は、動物生産においていたずらに低価格化を求めるよりも高品質で安全な生産物を、動物生理に則った方法で、作ることが何より大切ではないかと考えています。そこで、次のようなテーマを研究しています。
- 品質評価値に基づいて、高品質な畜産物を作る方法（特に安全で美味しい食肉生産法、正しい栄養給与やストレス低減）について検討しています。
- 米生産量を上回るといわれる廃棄された食品を利用（エコフィードの活用）して、高品質な畜産物を生産する研究を行っています。
- 最近、流通現場で問題となっている異常肉を発生させる原因と対策を解明しています。
実用的な研究を重視しているため、研究成果は実際に広く役立っています。