研究者紹介

宇田津 徹朗(UDATSU, Tetsuro)

宮崎大学 農学部 教授

【専門分野】
地域農学・農業技術史学
【これまでの主な研究】
日本、中国、韓国、台湾を調査フィールドとして、プラント・オパール分析を用いて、稲作、特に水田稲作技術の成立と発達ならびに伝播について研究を行っています。
中国での調査研究は、1990年代初めの江蘇省草鞋山遺跡をはじまりに、もう20年になります。
【この研究における役割】
長江下流域において、野生イネの利用から水田による本格的な稲作までどのように発達してきたのかについて、その解明に取り組みます。具体的には、イネを栽培していた場所(立地)やその規模(面積)ならびに当時の生産量がどのように変化してきたのかをプラント・オパール分析法を用いて調査分析を行います。
また、代表者として、研究メンバーの成果のとりまとめや他の計画研究との連携調整なども行います。
【研究で用いる主な分析:プラント・オパール分析】
プラント・オパールは、土の中に残されているイネ科植物の体内に形成されたガラス質の細胞の化石です。この形態や密度を分析すると、当時に栽培された作物の種類や生産量を推定することができます。
【この研究に関係した業績】
宇田津徹朗「イネの細胞化石から水田稲作の歴史を探る」,『フィールド科学の入口 イネの歴史を探る』佐藤洋一郎・赤坂憲雄(共編),玉川大学出版,pp.164-176,2013年
宇田津徹朗・藤原宏志「植物硅酸体分析反映的水田稲作技術進歩」,『河姆渡文化国際学術論壇論文集』,余姚市河姆渡遺址博物館主編,中国時代経済出版社,pp.130-146,2013年
宇田津徹朗「稲作の展開と伝播 -プラント・オパール分析の結果を中心に-」
『ユーラシア農耕史 1 モンスーン農耕圏の人びとと植物』佐藤洋一郎(監修),臨川書店,pp.113-157,2008年
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