6 図の作成

6.1 グラフの作成(棒グラフ)
6.2 グラフの作成(折れ線グラフ)
 6.2.1 折れ線グラフ
 6.2.2 標準偏差,誤差を表示したグラフ

エクセルでは,入力したデータを図表にすることができる.論文やレポートでは,実験や文献から得たデータを,表だけでなく視覚的にわかりやすい図にすることも必要である.

6.1 グラフの作成(棒グラフ)

図1のような棒グラフを作成する方法を例にする.


図1 棒グラフ

元となるデータは,図2のように入力されているとする.


図2 図1のグラフの元となるデータ

具体的にいえば,図2の,セルC14からD31が元となるデータである. まず,グラフの元となるデータをマウスで選択する.この場合,セルC14からD31である.


図3 グラフの元となるデータを選択したところ

次に画面上部のツールバーのグラフウィザードボタンをクリックする. すると,グラフウィザードのダイアログボックスが表示される.

Office2007の場合

「挿入」→「縦棒」→「2-D縦棒」をクリックする。クリックすると、グラフが完成する。
以下の手順で図を完成させる。
  • 凡例を削除する。凡例上で右クリック→「削除」で削除を行う



  • X軸のラベルを入れる。グラフを選択し、「レイアウト」→「軸ラベル」→「主横軸ラベル」(縦軸の場合は「主縦軸ラベル」)→「軸ラベルを軸の下に配置」→「都道府県」と入力する
  • Y軸のラベルを入れる。グラフを選択し、「レイアウト」→「軸ラベル」→「主縦軸ラベル」→「軸ラベルを回転」→「人数(人)」と入力する。
  • 軸の説明(都道府県名)の配置を変更する。X軸を右クリック→「軸の書式設定」→「配置」→「文字列の方向」→「縦書き」

「グラフの種類」の「縦棒」を選択し,「形式」の左上のボックスを選択する(図4).Office2007では、この操作は不要。


図4 グラフウィザードダイアログボックス

ここで,選択したデータと,作成されるグラフの概要が自分の思ったとおりになっているかどうかは「サンプルを表示する」をクリックすることで確認できる. 表示された図が思ったとおりであれば,「次へ」をクリックする. もし,思ったとおりの図でなかった場合も,とりあえず「次へ」をクリックする.
先ほど「サンプルを表示する」で表示された図が表示される.


図5 グラフウィザードダイアログボックス

もし,表示されない場合,「系列」の「行」もしくは「列」をクリックし,思ったとおりの図にする.この例の場合,「列」にチェックがされているが,ためしに「行」を選択してみると,違う図が表示されるだろう.


図6 「列」を選択した場合

「行」あるいは「列」にしても思ったとおりのグラフが表示されない場合は,選択した範囲が正しくない可能性があるので,「キャンセル」をクリックし,はじめからやり直すと良い.

正しく表示されたら「次へ」をクリックする.

グラフのオプションを選択するダイアログボックスが表示される.ここで,X軸やY軸のタイトルを入力する.この例では,X軸は「都道府県」,Y軸は「人数(人)」を入力する(図7).また,グラフタイトルはキャプションを入れるので不要である.なお,これらは,グラフを作成してからでも入力することができる.


図7 グラフオプションを変更

入力が終わったら,「完了」をクリックする. 選択したデータの棒グラフが表示される.


図8 棒グラフが表示される

ただちに思い通りのグラフが表示されることは少なく,通常は,これから多少見栄えをよくする必要がる.
まず,この図の場合,棒が示す数値は人数であることはわかっているので,凡例は不要である.
凡例をクリックし,「Delete」キーを押して,凡例を消去する.2007の場合、右クリック→「削除」で削除ができる。


図9 凡例をクリックしたところ

次に,X軸の表示を直す.X軸の項目はフォントのサイズが大きすぎて都道府県名が全部表示されていない.
まず,X軸の上でクリックする.X軸の両端に黒い四角が表示される.この状態で右クリックし,「軸の書式設定」を選択する.


図10 X軸の書式設定を選択

「フォント」タブをクリックし,フォントのサイズを小さくする.あまり小さすぎると醜くなるので注意する.次に「配置」タブをクリックし,「方向」の縦の文字列を選択する.


図11 縦の文字列を選択したところ

「OK」をクリックし,X軸項目がきちんと表示されているかを確認する.


図12 X軸項目を変更した図

可能であれば,以下の操作でグラフを見やすくすると良い.

  • グラフのプロットエリア(グレーの部分の目盛り線ではないところ)をダブルクリック→「輪郭」,「領域」の「自動」をチェックする

  • 棒グラフをダブルクリック→「パターン」タブをクリック→淡いグレーなどを選択する


次に,グラフを表の右に配置する.グラフの周りの白い部分を左クリックしたまま,動かすと,作成したグラフが移動する.グラフの四隅のやや内側をクリックするとうまくいく.


図13 グラフを移動したところ

最後に,キャプションを入れて,完成させる.


図14 完成した棒グラフ



6.2 グラフの作成(折れ線グラフ)

6.2.1 折れ線グラフ

図15に示すような,ごみ総排出量の変化を年度ごとに表す折れ線グラフを作成する例について説明する.


図15 折れ線グラフ

元になるデータの表が図16のようになっているとする.図16の赤い丸で囲んだ部分が必要なデータである.


図16 折れ線グラフのデータ

それぞれの囲みを同時に選択する必要があるが,良く見ると,4つの部分に分かれ,それぞれが離れている. この様な,離れたセル同士を選択する手順を以下に示す.
  • まず,A2のセルをクリックし,選択する(マウスクリックは離す).
  • 次に,キーボードの「Control」(あるいは「Ctrl」キー)キーを押しながら,C2からI2を選択する.そうすると,先ほど選択したA2は選択されたままになっている.


    図17 離れたセルを選択したところ

  • さらに,「Control」キーを押しながら,A6を選択する.
  • さらに,「Control」キーを押しながら,C6からI6を選択する.
  • 以上の手順で,図18のようにセルが選択されていれば良い. 色がグレーに変化した部分が選択したセルである.


    図18 離れたセルを選択したところ

    ボタンをクリックし,「グラフの種類」で「折れ線グラフ」を選択する.以下の点に注意すれば,あとは棒グラフの作成と同様である.
    注意点
    • グラフウィザード3/4で,「X項目軸」,「Y項目軸」を入力しておくとよい.それぞれ,「年度」,「排出量(千トン)」と入力する.


      図19 離れたセルを選択したところ

    • 図中のタイトル,凡例は不要である.「完了」をクリックしていったん図を完成させた後に,凡例をクリックして選択し,「Delete」キーを押して削除する.

    • Y軸の最大値,最小値をきりのよい数字に変更する.Y軸をクリックし,選択する.選択すると,Y軸の両端に黒い四角が表示される(図20).



    • 図20 Y軸を選択したところ

      この状態でダブルクリックし,「メモリ」タブの,最小値,最大値にそれぞれ「40000」,「60000」を入力する.メモリ間隔を「5000」にする.

    • 数値軸の目盛線が多くて見づらいので,削除する.グラフ内の数値軸目盛り線を選択する.選択すると,各目盛り線の両端に黒い四角が表示される(図21).



    • 図21 数値軸を選択したところ

      この状態で右クリックし,「クリア」を選択する.

      次にプロットエリア(グレーの部分)をダブルクリックし,「輪郭」,「領域」の「自動」をチェックし,「OK」をクリックする.



      図22 完成した図


    6.2.2 標準偏差,誤差を表示したグラフ

    図23のように,プロット点がいくつかのデータの代表値である場合,そのデータの誤差あるいは標準偏差を表示することができる.


    図23 誤差を表示した図

    元になるデータは図24のようになっている.


    図24 図23のデータ

    まず,プロット点のみの図を,「測定地点」と「平均値」から折れ線グラフを作成する.


    図25 もとになる折れ線グラフ

    以下の操作により,図を見やすくする.
    • 図タイトル,凡例をクリックし,消去(Deleteキー)する.
    • X軸,Y軸の項目名を入れる.グラフエリアをクリック(グラフの白い部分がよい)して選択し,右クリック→「グラフのオプション」→「タイトルとラベル」タブをクリック→X項目軸,Y項目軸にそれぞれ「測定地点」,「[pg-TEQ/L]」と入力する.「OK」をクリックする
    • プロットエリア(グラフのグレーの部分)をダブルクリックし,「輪郭」,「領域」の「自動」を選択し,「OK」をクリックする
    • プロット点をダブルクリックする.「パターン」タブをクリックし,「線」の「なし」を選択する.マーカーのスタイル「●」を選択→前景を黒色,背景を「色なし」→サイズを「8」程度にする→「OK」をクリックする.



    図26 整形した折れ線グラフ

    次に,プロット点をダブルクリックし,「Y誤差範囲」タブをクリックする.「表示」は「両方向」を選択し,「誤差範囲」の「指定」の+および−の空欄に標準偏差が入力されているセル範囲を入力する.

    直接セル範囲を入力してもよいが,セルをマウスで選択することでも入力できる.「指定」の「+」空欄の端にあるをクリックする.「データ系列の書式設定 - Custom +」ダイアログボックスが表示され,シートを選択できるようになる.この状態で,標準偏差の数値を選択する.


    図27 標準偏差の数値を選択

    選択したら,「Enter」キーを押す.同様にマイナスの範囲も選択する.


    図28 標準偏差の数値を選択

    「OK」をクリックすると,標準偏差の範囲が表示される.
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