胆嚢疾患[胆嚢粘液嚢腫]と診断された飼い主様へ

胆嚢粘液嚢腫とは

胆嚢内にムチンという糖タンパク質が過度に貯留する疾患です。胆泥症から胆嚢粘液嚢腫になる事もあります。

胆嚢粘液嚢腫になると、胆嚢破裂や総胆管閉塞のリスクが高まります。予防的に胆嚢摘出を行うこともありますが、当研究室では予防的胆嚢摘出術の合併症のリスクも考えて、治療方針を提示いたします。

  • 典型的な胆嚢粘液嚢腫のエコー画像
  • 胆嚢粘液嚢腫の中身ゼリー状の物質が胆嚢内を占拠している
  • 胆嚢粘液嚢腫の中身の拡大図

胆嚢粘液嚢腫のQ&A

Q.診断方法は?

胆嚢粘液嚢腫の診断は、超音波検査になります。超音波検査は、体位が非常に重要です。立位で超音波検査を実施したときに、図のようなエコー画像が得られたら、ほとんど間違いがありません。ただし、立位で超音波検査をせずに仰臥位だけで診断をすると、胆泥症を胆嚢粘液嚢腫と誤って診断する場合もあります。詳しい検査は当院で行います。

Q.手術は必要ですか?

胆嚢粘液嚢腫は、ごく希に内科治療に反応する場合がありますが、基本的には内科治療で改善することはありません。基本的に手術が必要になります。しかし、手術するタイミングに関しては、主治医にお尋ねください。

Q.無症状ですが、治療は必要ですか?

基礎疾患として、内分泌疾患がある場合は内分泌疾患の治療を優先します。
胆嚢粘液嚢腫の内科治療は、基本的にあまりよい方法はありません。外科的切除が一般的な対応ですが、手術タイミングは、主治医にお尋ねください。

宮崎大学農学部獣医学科 動物病院研究室

住所:宮崎県宮崎市学園木花台西1-1