肝リピドーシスと診断された飼い主様へ

肝リピドーシスとは

猫が食欲不振(飢餓状態)になると、体脂肪をエネルギー源にしようとして肝臓に脂肪酸が動員されます。一般的に肝臓に動員された脂肪酸はエネルギー源として使用されますが、猫ではこの脂肪酸をエネルギー源に上手く変換することができずに肝臓に脂肪が沈着します。肝細胞に脂肪が過度に沈着すると肝機能が低下し、肝障害や黄疸が認められるようになります。このような状態を肝リピドーシスと言います。肝リピドーシスになると更に食欲不振になり、肝臓に更に脂肪酸が沈着し、病態がどんどん悪化します。

したがって、猫は食欲不振がある程度長期化すると肝リピドーシスを2次的に引き起こすことがあります。食欲不振の原因が肝リピドーシスなのか別の疾患が原因で二次的に肝リピドーシスになったのかを判断することは非常に重要ですが、肝リピドーシスの治療は、強制給餌をしても良いので、十分な量の食事を与えることです。

一般的に、肝リピドーシスの治療が上手くいかない理由として、食事の摂取量不足があげられます。本研究室では、経腸チューブの設置を積極的に行っています。

  

宮崎大学農学部獣医学科 動物病院研究室

住所:宮崎県宮崎市学園木花台西1-1