胆嚢疾患と診断された飼い主様へ

胆嚢疾患とは?

胆嚢の疾患には、大きく分けて3つあります。①胆泥症②胆石症③胆嚢粘液嚢腫の3つです。非常に似たような疾患ですが、微妙に治療法が異なります。

胆嚢とは? 何をしているところ?

  • 胆嚢とは、肝臓にくっついている袋状の構造物です。肝臓で作った胆汁を蓄えて、濃縮しています。
  • 胆汁の働きは、脂肪の消化を助けています。

①胆泥症とは

  • 胆嚢内に泥状の内容物が貯留する疾患です。
  • 軽度であれば、治療の必要性はありません。
  • 中程度から重度であれば、総胆管閉塞を引き起こす可能性があります。

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②胆石症とは

  • 胆嚢内に胆石ができる疾患です。人と異なり、コレステロール胆石はほとんど認められず、色素系の胆石が多いです。
  • 臨床症状がなければ、通常は無治療ですが、胆嚢炎が認められる場合や腹痛などの臨床症状を伴う場合は、胆嚢摘出術を行うこともあります。
  • 胆石でも総胆管閉塞を引き起こすことがあります。

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③胆嚢粘液嚢腫とは

  • 胆嚢内にムチンという糖タンパク質が過度に貯留する疾患です。胆泥症から胆嚢粘液嚢腫になる事もあります。
  • 胆嚢粘液嚢腫になると、胆嚢破裂や総胆管閉塞のリスクが高まります。予防的に胆嚢摘出を行うこともありますが、当研究室では予防的胆嚢摘出術の合併症のリスクも考えて、治療方針を提示いたします。

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  • A 正常な胆嚢(胆嚢内は、通常真っ黒(無エコー)である)
  • B 中程度の胆泥貯留(白っぽいところが、胆泥)
  • C 胆嚢内全体的に胆泥が貯留している(黒っぽいところがほとんどない)
  • D 典型的な胆嚢粘液嚢腫の画像(真ん中が白く、放射状に白い線がみえる特徴的な画像)
  • E 胆石の画像
  • F 実際に摘出した胆石

宮崎大学農学部獣医学科 動物病院研究室

住所:宮崎県宮崎市学園木花台西1-1